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ある条約型戦艦案について−艦政本部担当者何某の手記より。 新軍縮条約締結による戦艦性能制限は、旧式化した戦艦金剛の代替艦問題において大いに担当者の頭を悩ませることとなっている。 これに呼応して提出された平賀案なども有力である上に、さらに各種騒然、百家争鳴という状態で、すでに百種類以上の案が提出されているともきく。 いかに示す案は現在かなり形の固まっている数少ないものであるが、その実現如何はいまだ不明である。提出者詳細については今の所秘匿しおく。 まず、同案の興味深いところは国産戦艦として初めて三連装砲塔を搭載することである。 三連装3基9門は本艦でもって代替するべき金剛型より1門多く、十門を越える諸案よりも軽量に仕上がる可能性が高い。 当初は対16吋防御を検討した形跡もあるが、対14吋防御とされているうえ、艦主要区画へ限定されている。 その他の部位についてはかなり細分化された水密区画があり、おそらくこれで浸水をくい止めようというのであろう。アーマー圧についてはいまだ不明確な部分があるが、方針が対14吋となっているので容易に推定可能である。 面白いのは、全ての航空装備が艦尾に集中していることである。 2基の射出機は艦載機の急速発艦を可能にし、故障時のバックアップともなる。艦載機は九五式水上偵察機3機と九四式水上偵察機1機となっているが、格納庫容積を見る限りではもう1機、三座水偵を分解して格納出来そうである。 射出機の間にエレベータが用意されている。面積はかなり大きく、九五式水偵は分解せずに上甲板へあげることができるようになっている。九四式は分解してあげるとあるが、将来実用化される水偵に翼折り畳み機構を追加すれば、三座水偵でも分解は不要であろう。 後甲板一帯には水偵用の軌条がある。格納庫容積は4(5?)機分だが、甲板にはもっと並べておけるようだ。 さらに、短艇をすべて艦内へ格納してしまうというアイデアが面白い。後甲板下部に入り口をもうけ、天井のレールを伝って短艇を出し入れするというのだ。 砲撃時の邪魔にはならないし、必要なときにいつでもすばやく出し入れができるというものらしく、これだけでも検討に値する。 主砲自体は金剛型や扶桑型と同じ14吋砲を前提としているようで記載はないが、新型50口径14吋砲の試作も進んでいるので図を書き換えておいた。 艦橋構造物は高雄型巡洋艦類似のものである。多脚櫓や塔型艦橋などさまざまな案がでているが、なるほど、これは面白い。戦艦の艦橋としては若干簡素が過ぎる点がありそうだが、高雄型の艦橋の下部を貫通している煙路は本型では無いので、容積が不足することはないだろう。 高角砲は新型12.7糎連装を4基となっている。 副砲は既存の14糎を砲塔化し、連装を5基(両舷に2基ずつ、また後部軸線上に1基)としたかったが、重量面で不安が生じ、また艦橋の容積確保も必要であり、艦橋両舷の砲塔は単装砲座(軽巡搭載のもの)へ変更した、とある。 測距儀その他には記載が無く、新型10メートル測距儀と方位盤を一体化させたものを書き加えた。 そのほかとして25粍連装機銃が4基、13粍単装機銃が2基ある。 機関は重油専焼缶と蒸気タービンとのみあり、細かな記載は無い。おそらく執筆者は機関系に弱いのであろうが、新型の主機を搭載して必要な速力を満たせると考えたらしい。不可能ではないだろう。 速力は30ノットとある。金剛型の代替であることを強く意識しているらしく、まるで巡洋戦艦だ。 艦全体をみてもスマートで、高雄型重巡のようにも見える。 なお、本稿執筆者が同案に悪い印象を持っていないことを付記す。 ------------------------------------------------------------------------- センターまであと12日となった居眠り将軍(高三現役)です。 もうダメだろコイツなんて思わないで下さいお願いします(ダメか?) この戦艦(?)はじつは先年からちょこちょこ書いていたもので、あっと言う間に仕上がってしまいました。 「高雄じゃん!」っていわないでください。 宜しくお願いします。 居眠り将軍 |