要目(計画値)
基準排水量:4,800t
全長:144.5m
全幅:13.6m
機関:ロ号艦本式重油専焼缶(改)×4基
パーソンズギアードタービン3基3軸 40,000馬力
最大速度:25.5ノット
航続距離:10ktで13,000浬
武装:50口径127mm砲 連装2基
61cm魚雷発射管 3連装2基
12.7mm機銃4挺
水上機2機(最大3機)、射出機1基
爆雷投下軌条/ 2基
50mm礼砲x2
乗員:375+100
燃料:重油1,250トン
航続距離:10ktで13,000浬
−1930年9月深夜、某中小造船所設計室にて−
「主任、例のイブクーロ王国警備艦の計画案ができたそうですね。」
『うん、できたぞ説明するから、ちょっと来てくれ。』
コンセプト1:構想
『この船の仕様なんだが、小国の警備艦にしてはえらく大型で高速なんだ。』
「そうですねえ、イブクーロって1万トン重巡が主力艦でしょう?」
『そう、その巡洋艦が練習艦も兼ねてるんで、その役を引き受けれるように乗員以外に100名
の乗船が可能な様に容積を確保してある。』
「でも、そんな船が4隻も必要ですか?」
『陸戦隊の輸送や外国への使節の派遣や警備上の救助活動にも使えるしね。』
「航空機の搭載数がいやに多いですねえ。」
『イブクーロは水上機の購入や運用に積極的だけど、水上機を運用できる軍艦は例の重巡だけだ
し搭載機も1機だからねえ。複数運用出来れば故障や事故を考えると2倍以上の効果がある。』
「警備艦にしては細長いですねえ。」
『要求が25ノット以上だからねえ。20ノットならもっと幅広でも良かったんだが。』
「3軸艦なんですね。あまり当社では実績が無いですけど」
『要求が12000海里以上だからなあ、巡航は中央の1軸だけにしないと苦しいんだよねえ。』
コンセプト2:節約と復習
「武装と機関はイブクーロの駆逐艦と殆ど同じですね。」
『高いライセンス料払ったらしいから、しっかり元をとった方がいいだろうしね。
それに、練習艦として考えると訓練に好都合だし、補給も楽になる。』
「でも、それにしては出力が低いですよ本来の8割以下ですよ。」
『例のイブクーロ製の駆逐艦の出力はそんな物らしい。速度も25ノット強が実力らしい。』
「ええ!そんな低いんですか。」
『まあ、船体にも問題があるらしいけど、その点この船は直線を多用して商船構造だし、駆逐艦
に比べて余裕があるから造りやすいと思うよ。缶に関して言えば出力落とした方が寿命は延び
るしね。無論、当造船所の1番艦は過負荷53,000馬力で30ノットが目標だ。』
「30ノットですか、そんな速度、警備艦で出しても意味あるんですか。」
『イブクーロには嚮導駆逐艦が無いから水雷戦隊の旗艦も軽巡が出来るまでは勤める事が出来る
しね。艦内スペースも十分あるから司令部要員の場所も確保できる。』
「なんでも出来るんですねえ。」(なんか中途半端な気が)
『まあ、航洋性と艦内容積のある雑用艦ってとこだなあ。』
「これで、採用されますかねえ。」
『どうだろうなあ、だいたいどういう目的で発注したのか良く判らないんだ。』
「でも、この不景気で、ロンドンの条約で補助艦も制限されそうですし、内の会社も苦しいです
よねえ。なんとか、ここで受注しないと。」
『そうだなあ、じゃあがんばって提出資料をまとめようか。』
・・・こうして9月の夜は更けていくのであった。
その夜、二人は彼らの設計した警備艦の夢を見たそうです。。。

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