Dornier Do-Z


三面図

 イブクーロ王国の王室専用機に対応するためドルニエ社では企画会議が開かれたのだが、何分にも要求仕様が曖昧である。
 とりあえず目標航続距離を6,000km、旅客定員を王族と来賓8人、従者12人の計20人としたのだが、機体は失敗作に終ったDo-X飛行艇なみの大きさになってしまうことが予想された。
 そこでDo-X飛行艇の失敗要因の徹底的な検証が行なわれた。大きく重い機体に対してエンジンが余りにも非力だったことが主な要因であると結論されたのだが、主翼上面に12基のエンジンを配置するなどの 空力的な欠陥も指摘され、Do-Xの主設計者であるドルニエ博士が怒りだし席を立つ一幕も在った。

 これらの結果を踏まえてまとめあげられた機体は次のようなものとなったのである。
 エンジンは燃費の良いJumo205Dディーゼルエンジン8基を串型配置として前面投影面積を抑えた。
 主翼はアスペクト比を大きく取りバラソル翼としてエンジンの海面高を稼ぐとともに、主翼内と支柱内に燃料タンクを設けた。ただしこれだけでは燃料が不足するため客室床下、補助フロート内にもタンクを置き15,000lの軽油を積めるようにした。

内部配置

 胴体形状は空力よりスペースを優先して角型断面とし客室を広く取りっている。部分的に二階建てとし二階はコックピットと貨物室。コックピットには前部搭乗扉近くに取り付けられた梯子で出入りする。
 内部の配置は最前部に展望ラウンジ、その後ろに王族用洗面所と厨房を挟んで国王や王族、来賓用の寝室、客席、従者用寝室と洗面所とつづき、最後尾に乗務員用の休憩室を設けてある。
 最前部は展望デッキ兼食堂で、二人掛けのソファーが四脚置かれている。食事の際は肘掛にしまわれている折りたたみ式テーブルを用いた。サンブン国王はここで星空を眺めながらイブクーロの地酒チューショを飲むのがお気に入りであった。
 サンブン国王と王妃の寝室である。ベッドは国王達の体格を考慮しセミダブルが二台用意されたのだが、寝相の悪い国王は「もっと広いベッドが欲しいゾ」と言ったとか言わなかったとか。  王族及び来賓の寝室の後方が客席である。王族と来賓の座席は二人掛けでゆったり造られているが、従者用は三人掛けとなっている。客室の後ろは従者の寝室と洗面所である。
 設計製作には一年半を要したがほぼ順調に進んだ。しかし、初飛行に臨席したヒットラーの一言がドルニエ社の技術陣を悩ますこととなったのである。
 ライトグレーに塗られた機体を見てヒットラー曰く「機体としては素晴らしい。ただ、見栄えが良くない。もっとゴージャスにできないのか。そうだ、金メッキしろ。金色に輝く機体にするのだ。」

王国上空を飛行するDo-Z

 金メッキなど出来る訳もないのだが、さりとて総統の言葉を無下にするわけにもいかない。思案の挙句、塗料に金粉を混ぜることで全体を金色に仕上げたのだった。ヒットラーは満足したがパイロットからは眩しくてかなわないと頗る不評であった。
全長34.0m全幅41.3m全高  9.5m発動機Jumo205D×8航続距離6,150km巡航速度305km/h旅客定員20人乗員
 14人(機長、正副パイロット、通信士2、航空機関士3、
    コック2、客室乗務員4)


作者の戯言
 Do-Xからスタートし結果的には(DoX+Do26)÷2となりました。
機内の画を描きだしたのが仇となり、至るところ手抜きだらけ。
胃袋3分の1様のお目溢しで内部配置図までは仕上げられました。
感謝 感謝。