SIAI Marchetti SM.77 Manta

SM77 3view



SIAI Marchetti SM.77 Manta
<要目>
全長  :20.5m
全幅  :34.6m
全高  : 8.8m
自重  :13,820kg
総重量 :20,700kg
 最大  24,830kg
発動機 :ピアッジオ P.XI-RC40 空冷複列星型14気筒(1,000HP)×4
最大速度:312km/h
航続距離:2400km(最大4000km)
乗員  :6名
乗客  :24名(最大52名)
初飛行 :1938年

 珍しい双胴形式の飛行艇。
 もともと、マルケッティ社はSM.55、SM.66という双胴飛行艇の実績があったが、
この機体の特徴はむしろ中央部分の巨大なキャビンにあるといっていい。
 もとはイブクーロ王国が海外に発注した国王専用旅客機。
 この機体のコンセプトは「ゆったりした客席」というもので、それを実現する為の
中央の巨大なキャビンであり、またその結果としての、それを支える為の双胴形式であった。

 通常の機体形状では難しい広い空間を確保したその中央キャビンは
通常の旅客機の客席という言葉からイメージするのは難しい。
それは国王の為の住居スペースであり、その家族、来賓客の為のスペースとして
造られている。(なにせ座席というものが存在しない)
飛行機の客席というよりは船の客室というイメージが近いだろう。
 中央の多目的スペースは、通常はいくつかに仕切られ、居間や謁見の間のように
用いられるが、必要に応じて仕切りを取り払い、パーティー会場等としても利用が可能である。

 双胴の艇体は数々のサービスの為のクルー及び諸設備、
それと膨大な燃料タンクの為のスペースとなっている。
 国王の従者のほとんどは、通常はこちら控えていることになる。

 エンジンの搭載形式は3発から7発まで、串型配置やら前後分散配置まで
いろいろな案が出ていたようだが、最終的には図のような4発位置に落ち着いた。
 しかしこれは馬力不足として後まで尾をひくこととなる。
機体の大型化、重量増加もあり、最後まで候補に挙がっていた5発乃至6発案の方が
良かったのではないかといわれるが、いずれにしろ結果論である。
 エンジンは当初、Isotta-Fraschini(イソッタ−フラスキーニ)Asso XI RC15(なげーよ)で
開発が進められていたが、1938年後半に PIAGGIO(ピアッジオ)P.XI-RC40に換装された。

 マルケッティ社はこの受注が取れなくても、イタリア国内での受注を狙っており、
SM55、SM66と同様に、旅客機及び、中央キャビンの大スペースを利用した
輸送機としての運用を計画していたが、コストの面から量産は疑問視されている。
 ちなみに、機体名も勿論イタリアでの名称である。


F:みなさんこんにちは。フィリス・矢沢です。 K:……高町恭也です。 F:水上機といえばイタリアですね。 K:そうなんですか? F:そうなんです。 F:国王専用水上旅客機ということで、かなりゴージャスなつくりのようですねえ。 K:…変な格好ですね。 F:な、なんてこと言うんですか?   この時期の機体の多少の野暮ったさは愛というものですよ。 K:…いえ、形が奇妙と言ったんであって、   別に野暮ったいと言ったわけではないんですが…… F:…………… K:…………… F:えーと……あ、ココア飲みます? K:いえ。 F:あ、甘くないココア入れますね。 K:……はあ F:さて、この機体の特徴はなんといっても中央の巨大キャビンですね。 K:それを支える為に、結果として双胴形式になったという。 F:同じ双胴形式のSM55、SM66と同系列のように思われがちですが、   むしろ成り立ちから考えると逆なんですね。 K:比べてみると、似てるというか、似てないというか… F:ああ、もともとカント社で計画していたらしいんですよ。   艇体部はその名残かもしれませんね。 K:カント? F:ええ、CRDA Cant Z508 Albatros。Z501の拡大型として計画されていましたが、   どうにもスペック的に収まりきらないということで別企画に移行したようです。 K:移行? 誰が? F:…コホン。   えーとですね。水平尾翼の外側はいらなかったんじゃないかと言っていましたね。 K:だから誰… F:ほら、もともとはもっと幅が狭かったんですよ。 K:そうなんですか? F:そうなんですよ! だから水平尾翼足りないかなーって、それで外側にも付けたんですけど   こんなに幅広くなっちゃったじゃないですか。 K:そうですね。 F:そうそう! K:ところでこの機体… F:なんですか? K:まともに飛べるんですかね? F:っ!!!!!   いばらくお待ち下さい…… K:…フィリス先生 F:…気にしないで下さい。自分の無力さを実感していただけですから… K:えーと、そういえばこれ、パーティー会場とかあるんですね。 F:…ええ、常設ではありませんが、   日本風に言うなら「宴会場完備!」というところでしょうか。 K:宴会なら、無理に飛行機でやらなくても、船でやればよいのでは? F:………そういうことを言ってはいけません! K:そ、そうなんですか? F:そうなんです。 K:え、えーと、従者達は艇体の方にとありますが、あえてわけたんですかね? F:…そうですね。あくまでも国王及びその家族、来賓客の為のゴージャスな空間が   演出できれば、ということですから。 K:主賓以外、つまり従者の方々はエコノミークラスでもいいという? F:実際にはそんなに酷くありませんよ。   国王と比べればということで、飛行機の客席としてはかなり良い方です。 K:なるほど… F:ちなみに、双胴の艇体内は客席を設けて乗客数を増やしたり、   燃料タンクを設置して航続距離を伸ばしたりできるそうです。 K:ああ、それでスペックに幅があるんですね。