
諸元 全幅:14.00m 全長:12.00m 全高:4.00m 自重:3,500kg 全備重量:5,500kg 発動機:ハ104空冷星型複列18気筒1,900馬力×1 最高速度:550km/h 航続距離:2,000km(500kg爆弾搭載時) 武装:7.7mm機銃×8(翼内装備) 爆弾最大1,000kg 爆弾搭載パターン a.爆弾倉内、1,000kg×1(水平爆撃のみ) b.爆弾倉内、500kg×1 c.爆弾倉内、250kg×1、 両翼下、各250kg×1、計3 d.爆弾倉内、両翼下に100kg以下、多数 e.爆弾倉を閉鎖し、外装で航空魚雷×1 乗員:1名 その他:両翼下、及び爆弾倉内に増槽設置で、大幅な航続距離 延長が可能。 三菱では陸軍軽爆競争試作の仕様を受けて、生産性と実用性を 重視した機体を開発することに決定した。 この方針から、設計にあたって下記の制約事項が設定された。 ・単発単胴 ・確立された設計方法の踏襲 つまり、革新的な技術を使用して、無理な高性能を狙わない こと ・複雑な加工技術を必要としないこと ・実機は整備が容易であること 等。 まず、発動機として「ハ104」が選定された。 実用性の高さが選定の理由である。 単発単胴であることから、スイングアームの装備を決定。 爆弾搭載時の速力、航続距離の向上のため爆弾倉を装備する。 爆弾倉装備のため、中翼配置とする。 次の問題は、軽量化である。 生産性、整備性を重視する設計のため、加工技術による軽量化 は実施できない。 このために、単座化、という対策が取られた。 単座化によって生じる機内スペースの余裕を利用して、機内装 備の整理を行い、これによる機体構造の簡略化/合理化で、軽 量化/構造強化/生産性向上を実施するものである。 例をあげると、後部乗員席を廃止して生じたスペースの余裕 で、主胴体内に大型の燃料槽を装備、これによって主翼内燃料 槽を廃止、主翼構造の簡略化/合理化を行う、等である。 これらの設計方針によって、いくつかの特徴があらわれるよ うになった。 ・太い主胴体内に大型の燃料槽を装備することで、燃料槽へ の防弾装備が容易になり、生存性が向上した。 ・主翼内燃料槽を廃止することで、生存性の向上を、また、 主翼内燃料槽の廃止とともに、主翼を太く短い、単純な 直線テーパー翼とすることで、機体構造が簡略化し、構 造強度が向上した。 ・太く短い直線テーパー翼の採用で、低高度での運動性が 向上した。 ・機体重心付近に大型の燃料槽を装備するために操縦席を 前方にオフセットしたため、前下方視界が向上した。 ・大直径発動機の採用のため、胴体が太くなり、操縦席の 居住性が向上した。 ・太い胴体後部の横幅をつめることで、側面積が増し、直 進安定性が向上した。 一方、欠点もいくつかでている。 ・操縦席後方に大型の燃料槽を配置したため、後方視界が 悪化した。 ・大直径発動機の採用のため、胴体が太くなり、側下方視 界が悪化した。(ただし、前下方視界は比較的良好であ る。) 他に下記のような特徴がある。 ・ロケット式単排気管を採用して、速力向上策としている。 ・固定武装に、生産数に余裕のある7.7mmを採用し、生産性 の向上を考慮している。 設計全体として、頑丈で、生産性の高い(数を揃えやすい) 稼働率の高い機体をめざしている。副次的に生存性の向上に 配慮している。 特に新しい技術、難しい加工技術を使用していないことから 完成した試作機は、設計通りの性能を発揮した。 大型の増槽を両翼下に装備することで、さらに航続距離を伸 ばすことが可能である。また、増槽の代わりに爆弾の搭載も可 能である。 また、出力に比して大型の発動機を採用していること、機体 構造が頑丈であることから、将来の性能向上が期待できる。