Helgoland級戦艦 (近代化改装後)

Helgoland級戦艦 Thuringen 

Helgoland級戦艦 Thuringen 

Helgoland級戦艦 (近代化改装後) 諸元:
     同型艦  Helgoland,Ostfriesland,Thuringen,Oldenburg
     全長:174m   全幅:28.5m
     排水量:23,000t
     機関: MAN式ディーゼル7基 ギヤードディーゼル & ディーゼルエレクトリック 3軸 33,000馬力
     速力:22t

     武装:
         主砲:		30.5cm 4連装 2基 (2番、3番砲塔) 連装 2基 (1、4番砲塔) 計12門
         副砲:		15.0cm  連装  4基 8門 
         対空火器:	 8.8cm 単装 4基 4門
             	  37mm 単装 4基 4門
         魚雷発射管	533mm 4連装 4基 16管

Helgoland級級戦艦近代化改装 について
 帝政ドイツ海軍ド級戦艦の第2陣として投入されたのが、Helgoland級の4隻であった。
 初のド級艦Nassouと比較すると、12門装備された主砲の口径こそ30.5cmに強化されていたが、艦首尾上に装備されたものは4門のみ、
タービン機関の搭載も実現せず、前ド級艦的設計を払拭できずにいた。
 Helgoland級完成後も、帝政ドイツは矢継ぎ早のド級戦艦の設計、建造を行い、タービン機関の搭載、全主砲の艦首尾上への配置など、
本家イギリスのド級艦に比べても遜色のない戦艦部隊を、短期間に整備することに成功する。
 しかし、第1次世界大戦の結果、それら新鋭艦はすべて戦勝国対する賠償として、譲渡または売却されてしまい、残されたHelgoland級
4隻が、新生ワイマール共和国の海上の守を担うこととなった。

 その後、1929年〜1934年にかけて、1艦ずつ1年以上の工期を費やして、大規模な改装を行っている。
 連合軍監視委員が、主砲の門数の増加、装甲の強化は認めなかったため、武装については現在の搭載しているものをできるり利用する、
主要防御区画水線部の装甲には手を加えない、の2点を守りながら改装は進められた。

 武装については、主要兵装はほとんど改装前のものを受け継いだが、その装備方法は大きく変更された。
 まず、主砲は改装前は、艦首尾線前後に1基づつ、両翼に2基ずつで、12門の主砲のうち片舷に指向できるのは8門しかなかった。今回の
改装では、12門全力を指向できるようにすることが、最大の目的とされた。最大の障害は、主要防御区画を変更できないため、単に6基の
砲塔を艦首尾線上に並べたのでは、機関の搭載が難しくなることであった。各種のプランが検討されたが、最終的には両翼の連装砲塔2基
づつを1つにまとめ、4連砲塔化する方法が採用された。連装砲等から、片方の側面装甲板と底板が砲塔から外し、新しい底板の上に組みあ
げ4連装砲塔をつくり、揚弾機なども旧砲塔のものを2基並べて、再利用している。2つの砲塔の継ぎ目の部分が、防御上の弱点となるため、
切り取った側面装甲板を、継ぎ目部分に溶接し補強している。
 この即席4連装砲塔は、艦体に対する負担やトリムがあまり変わらないように、舷側砲の装備位置に近い艦首尾線上への装備が検討された
が、2番砲塔と3番砲塔の間が余りに近くなり、艦橋を設置するスペースがなくなってしまった。結局、2番砲塔の装備位置を前進させ、背負い
式に装備することで、艦橋を設置するスペースを稼いでいる。3番砲塔は重心の上昇を避けるため、背負い式とせず4番砲塔と同じレベルに搭
載されている。また、2番砲塔の装備位置が艦首よりにずれたため、艦首を7m延長しトリムを中立に戻すとともに、艦首形状も変更し凌波性の
改善と造波抵抗の低減を計った。
 その他の武装としては、ケースメートに装備されていた14門の副砲はすべて撤去され、そのうち8門を軽装甲の連装砲塔にまとめて、上甲板
に装備するとともに、射撃指揮装置を前艦橋側面に設けた。砲や砲架は、すべて撤去したものをそのまま再利用し、装填も人力のままであった
ため、発射速度は改善されていない。
 水雷兵装では、水中発射管はすべて撤去され、替わりに4連装の旋回発射管が後甲板に装備されている。魚雷兵装の強化は、砲戦力を補う
ともに、副砲の近代化とあわせて、今後整備されるであろう艦船の乗員訓練の役割も兼ねている。
 その他、対空用の火器が新たに装備されているが、88mm高角砲をが前後の艦橋の両舷に1基づつ4門、37mmが2,3番砲塔上に2基ずつ4門
と、艦の大きさに対してごく標準的なものになっている。

 主砲の搭載位置の変更により弾火薬庫も移設されたが、水平防御用の装甲板には従来のものと変わらないものを使用しており、防御上の目
だった改善はない。不要な舷窓の撤去、注排水ポンプの改善、消火設備の改善など、設備上の改善が行われただけである。

 機関部は、従来の缶、レシプロ機関はすべて撤去され、ディーセル機関に置き換えられている。スチームタービンへの改装を行わなかったのは、
いまだ復興途上にある工業力では、その調達に不安があることと、速度的な要求が低いためディーセルで十分達成可能と考えられたからである。
外舷側2軸は、それぞれ2基の6500馬力機関をギヤでつないで直接駆動しているが、中央軸は、3番砲塔が邪魔になり直接駆動できないため、
同型の機関3基で発電機を駆動し、3,4番砲塔間に設置されたモータを駆動するデーゼルエレクトリック方式をとっている。
 ちなみに、このディーゼル機関にはスパーチャージャの設置が考慮されており、他国の戦艦と速度性能に差がついた場合には、短時間にその
差をわずかでも埋めること目指したという説があるが、現実には各国とも装甲の強化に主眼を置いたため、スパーチャージャの設置は行われて
いない。

 その後のThuringen
 その後Helgoland級の4隻は、対空用機関砲などの増設などが行われた以外はとくに改装も行われていない。
 第2次ロンドン条約締結を機に代艦の建造が認められたため、代艦(Deutschland級)の就役とともに現役を退いたが、改装時期の遅かった
Thuringen,Oldenburgの2隻は、3番砲塔を撤去の後、講堂・倉庫などを増設するなど、純粋な練習艦として改装され、1950年台まで使用され
ている。 また、機関にディーゼルエレクトリックを採用していた為、発電能力に余裕があり、訓練以外では電波兵装の開発・試験にも用いら
れた。

 Mazking of Thuringen
カララン
「いらしゃいませ。」
「あ、コーヒーを。」
「はい。」
コポポ

「はい、どうぞ。お客さん、あまり見かけない制服だけど、どこかの海軍さん?。」
「ええ、ワイマール共和国です。士官学校の訓練航海の途中で、寄港したんです。」
「フフ..、修学旅行の先生みたいなもんですね。」
「これも訓練の一です!ビシビシやりますよ。」
「ご、ごめんなさい。」
「まあ、確かに、上陸許可が出ると、はめ外して馬鹿やるやつも何人か出るんですけどね。」
「はは。で、どんな艦で乗っていらしたんです。」
「この写真の艦、戦艦チューリンゲン号です。」
「わぁ、スマートな艦ですね。」
「一番かっこよく見えるのが、この角度なんです。なにせ、つぎはぎだらけのお婆さんですからね。」
「そうなんですかぁ。そうは、見えないですけど・・・。」
「こっちが、第1次大戦の頃、乗ってたころの写真です。」
「えー、全然、違うじゃないですか。
 なんで、ここまで変わっちゃたんですか?」
「第1次大戦の負けましたからね。そでれ、このチューリンゲンと同じクラスの艦以外の戦艦は、全て賠償のかたに接収されました。
 残った4隻だけが、今の海軍のほとんど全力と、なったわけです。」
「新しい艦は、造ればいいんじゃ?」
「まさか、この軍縮の時代に時代に、新造艦なんか造ったたら、世界中のつまはじきですよ。
 まあ、それ以前に、大戦後の復興が、なかなか進みませんでしたから、国防にまわせる予算も僅かしありませんでした。
 そうなると、海岸線の少ない私の国では、陸軍が優先になりますから。」
「そうだったんですか。でも、これだけ姿が、変わったんだから、結構大変な工事だったんじゃないですか?」
「この艦が改装された時期は、大戦後の復興がうまくいかず、過激な主張をする連中に共鳴する人が増えてきましてね。それで、各国の
 援助も得て、失業対策の大規模な公共事業を、いくつも実施したんです。もと連合軍の国々も、ヨーロッパの真ん中で、革命騒ぎは避け
 たいでしょうから。」
「でも、戦艦の改良なんて、もと連合軍も、よく承知しましたね。」
「武装や装甲に大きな改良を行わないという条件付です。
 それで、武装はほとんど、もとももと装備しているものを、再利用したんです。」
「なのに、あんなに形が変わったんですか?」
「第1次大戦の前後に設計された戦艦は、主砲をできるだけ艦体の中心に載せるように進化しました。
 それで、主砲で舷側に装備された主砲を一旦すべて外し、主砲塔を2基づつ1基にまとめて、中心に搭載したのです。
 これなら、フランスやソ連の艦とは、戦闘力では同等になりますから」
「海軍といえば、イギリスなんじゃ・・・」
「そうでですけど、海で隔てれれてられているイギリスよりも、地つづきのソ連かフランスと戦争になる可能性のほうが高いですから。
 大陸国の海軍が海上封鎖を試みた場合なら、この改造艦で何とか五分に闘えますよ。」
「フランスやソ連だって、海から、攻めてくることもあるんじゃ?」
「陸軍は、艦の上では戦えませんから、陸路があるなら、よほど確信がない限り、陸路を取ります。
 それで、海よりも、まず陸の守りという訳です。
 それでも、機関はすべて新しくしてもらいましたけどね。」
「エンジンを新品にしても、クレームになかったんですか?」
「機関は、武器ではありませんから。
 ちょうど改装時期が、ディーゼル機関が艦船用の機関として発達してきた時期と一致したので、これを機関に採用すれば、造船所の
 造船技術の向上にもなるということで、政府もやっとこの改装計画を承認したんです。」
「はぁ、苦労したんですね。」
「いえ、それが、改装が終わってからも、苦労の連続で。
 たとえば、主砲を中心線にもってきて狭くなったスペースに、艦橋や煙突を詰め込んだもので、艦橋と主砲の距離が近すぎて、初めて主砲の
 斉発試験をを行ったら、ショックで艦橋の光学装置が全部狂ってしまいました。
 ディーゼル機関も、新しい技術だけに勝手がわからず、あっちを直せば、こっちが故障するという状態が、1年以上続きました。」
「あはは。」
「いろいろ泣かされましたけど。あっちこっち手直した結果、お婆さんになった今でも、故障知らずですよ。いい艦になりました。
 じゃあ、コーヒーご馳走さま。」
「ありがとうございました。 また寄ってください。」