以下は、第1次大戦後ワイマール政権下のドイツで出された多数のヘルゴラント級の改装案の一つである。これは、2段階改装案と呼ばれるものである。
第一次改装
常備二万トンの戦艦は、古くさい30センチ砲艦であっても、英国以外のすべての海軍に対しては有力な戦力である。そのため、練習艦としてだけでなく、有事には艦隊中核として行動できることはドイツにとって重要であった。
しかし、一度にすべてを改装するには資金がないため、段階的に改装を行う必要があるというのがこの案の骨子である。
第一次改装では、レシプロ機関を撤去し代わりにギアードタービン艦として重量軽減と人員効率化・スペースの確保を図りつつ機動力を強化する。その時、副砲以下の小口径砲は完全撤去。同時に、一部副砲も撤去している。また、船体のストレッチ化も行った。
また、A主砲塔前にはケースメイト式の魚雷発射管を搭載する。これは副砲低減による火力減少補完と大型艦に対しての有効威力を求めたためである(水上艦の魚雷訓練にも必要という理由もあるが)。水中防御強化のためにバルジも増設された。
しかし、それ以外にも三つの特殊な秘匿改造が計画されている。そのひとつが、機関の換装ではずした構造材を付け直すときに、必要以上の補強材を張る事で実質的な防御強化を行うことである。
特殊事例その2は、極秘にディーゼル機関を搭載することである。
ヘリゴラント級は元々三軸艦だが、第一次改装で中央軸をはずし2軸艦にしている。そして、両側にある二軸のギアードタービンで22ktをひねり出すのである。
なお、有事になればこの隠し持った中央のディーゼル機関にスクリューを付け三軸艦に戻し、さらに高速で行動することをねらっていた。
最後の特殊事例は、主砲塔の旋回能力強化である。砲塔装甲を強化できないため、思い切って有事の前に砲塔ごと新式に乗せ変えてしまおうというわけである。そのため、砲塔重量が増加するぶんを許容できるよう、船体側に動力部強化など補強を行うことになった。
換装される砲塔は新型一二インチ砲(といっても、海岸砲に転用が考えられていた一次大戦後期の物)を搭載することになっていた。
この案が仮に採用されるなら、その後は、下にあるように二次改装で水上機の運用能力の付与と高角砲の新式化。及び艦首をアトランティックバウにされることになるだろう。
第二次改装案
諸性能
■一時改装時案
常備排水量:26300t 全長:218.6m 幅:30.2m 喫水:8.8m
主機/軸数:ギアードタービン2基/2軸 出力:56,000hp 速力:22.0kt(計画)
燃料搭載量:重油3000t 航続力:7200nm/17kt
兵装:30.5cmU×6,15cmT×10,8.8cmU高×4,50cmT×6
装甲:水線300mm,甲板80mm,主砲塔前楯300mm,天蓋100mm,司令塔400mm
■二時改装時案
常備排水量:26900t 全長:229.7m 幅:30.2m 喫水:8.8m
主機/軸数:ギアードタービン2基/2軸 出力:56,000hp ディーゼル1基/1軸 出力:24800hp 速力:25.0kt(計画)
燃料搭載量:重油3000t 航続力:7200nm/19kt
兵装:30.5cmU×6,10.5cmU高×4,水上機2
装甲:水線300mm,甲板80mm,主砲塔前楯300mm,天蓋100mm,司令塔400mm