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昭和15年に海軍から水上戦闘機の試作発令があった。その際、愛知へこの競争試作に参加するよう海軍から要請があった。 愛知では、十四試二座水偵の試作内示を受けている状況でもあり、この要請は手に余るものがあったため一旦は辞退の旨を伝えた。しかし、海軍はそれを良しとせず、再度競作参加を依頼してきた。 こうなると受けざるを得ないが、では、どうやったら限られた人員でこれに対応することができるかに頭を悩ませていた。 そんなおり、とある社員から出張の際に目撃したという、ドイツからの輸入機の情報が入った。この機体は、驚くべき高性能を発揮しており、しかも、装備しているエンジンが、愛知が量産を計画しているDB600系列のエンジンであるとのことだった。 そこで愛知は、海軍に対して、この機体をベースとして今回の競作に対応したいという意向を伝えた。ちょうど、この機体をライセンス生産しようと目論んでいた海軍には実に好都合な申し出で、一も二もなく了承した。 同時に、さらに設計工数を少しでも減らすために、フロートは十四試二座水偵と共通化することにした。 愛知では、ただちにこの機体、He100の改設計に入った。 まず、蒸気表面冷却方式を併用して実用性に欠ける冷却方式を、単純なラジエーターのみの冷却方式とした。これにより内翼部に若干の燃料タンクスペースを確保することができた。 それでも、要求された航続距離には不足だったため、コクピットを後方に下げると共に機首も延長して、その間に燃料タンクを配置することとした。当然、視界が悪くなるが、細身の倒立V型エンジンを搭載しているため、さほど問題にならないだろうと判断された。 元のHe100は、テストの結果、運動性がかなり悪いことが確認されたため、それを改善する目的で外翼部を延長し翼面積を増加した。 元々陸上機であったので、陸上機への改造設計はさほど苦労なく進んだ。 出来上がった機体は、520km/hという予想通りの最高速度を発揮したが、運動性は改善されたとは言えかなり不満の残るものとなった。 しかしながら、その他の性能も要求仕様を上回っていたため、海軍に納入されテストが実施された。 全幅 :12.00m 全長 : 9.55m 全備重量 :3450kg エンジン :熱田21型 液冷倒立V型12気筒 1200馬力 最大速度 :520km/h 上昇時間 :5000mまで5分59秒 航続距離 :1850km(最大) 武装 :九七式7.7o固定機銃2丁 :九九式20mm一号三型固定機銃2丁 爆弾 :60kg×2 |
