空技廠 15試水戦 「信風」

信風しんぷう



諸元     
       
全長     11.4m
全幅
    
 14.0m(フロート上げ:飛行時)
 12.2m(フロート下げ:離着水時)
自重     約3,900kg
全備重量   約5,500kg
翼面積    約27平方m
発動機
   
 金星42型 空冷星型複列14気筒
 離昇出力1060hp×2
プロペラ   3翅 直径3m
最大速度   約540km/h
航続距離   約1900km
武装
    
 20mm機関砲×2 7.7mm機銃×2
 60kg爆弾×2

三面図



 本機は水上戦闘機としての不利を補うため、串型にエンジンを配置する事によって、単発機並みの前面面積での双発、さらに後部プロペラを推進式にする事による効率の向上、ついでにプロペラトルクの打ち消しを狙ったものである。
 元々数のあまり出ないであろう水上機という事もあり、実験的な意味合いも有ったともいわれる。
 元は熱田の双発案であったが、整備性を考え金星の双発となった。
 さてこの形式では、乗員の脱出(後部プロペラを火薬で飛ばす事にした)、延長軸の振動、強度、後部発動機の冷却(いづれも空技廠の技術力でなんとか対応)等問題も有ったが、なにより後部プロペラの飛沫対策が必要となった。
 後部プロペラを上に持ち上げるという案も有ったのだが、
延長軸で上に上げるエンジンごと上に上げて延長軸を無くす

水上機としては数が出ない、後の陸上機化こそ本命と考えていた技術陣は、陸上機型
陸上型

を基本として、水上機としては極力変更を加えないという方針とした。
 そこで可動式の飛沫防止部分を付け飛沫を抑える事にしたのだが、これが後々まで不具合を生じる事になる。
 こうして完成した本機であるが、種々のトラブルもあり、また数そのものが少ない、そもそも出現時には活躍の場さえ無いという状況で、目立った戦果は無かったのである。



 補助フロートは翼端に収納され、誘導抵抗の減少も狙っている。
 主フロート上端の可動部は、プロペラを水の飛沫から守るためのもので、斜め後方にスライドして飛沫を抑える。
補助フロートと飛沫防止板の展開、収納

 しかし、完全には飛沫を止められず、プロペラの破損、飛沫によって飛沫防止板そのものが壊れる、海水の浸食によりスライド機構が作動不良に陥るなど、常にトラブルが付きまとい、最終的には飛沫防止板は展開した状態、補助フロートは下げた状態で固定し整形、重量の軽減と整備性の向上が図られた型(性能的にも大差ないと推測されている)が計画されたが、実機の完成には至らず水上機型の生産は打ち切られた。