犬級フリゲート艦 Westhighland White Terrier

犬級フリゲート艦 West highland white Terrier

犬級フリゲート艦 諸元:

同型艦: Sky Terrier, West highland white Terrier, Dalmatian, Fox Terrier, Corgie, Saint Bernard 他 20隻
建造中止 4隻 計画のみ16隻
全長:110m 全幅:12.0m
基準排水量:1,820t
機関: ヤーロー缶 2基 ギヤードスチームタービン1基 1軸 27,000馬力
速力:27.5t
 
武装:
主砲:4.5inch連装 2基 4門
対空火器:40mm連装 2基 4門
20mm単装 4基 4門
魚雷発射管:21inch連装 2基 4管 予備魚雷 2本
対潜兵装:squid 対潜迫撃砲 1基
k砲2基
爆雷投下軌条1基

犬級フリゲート艦 について

 1944年後半に登場したドイツの水中高速型潜水艦、高出力エンジン搭載の日本の新世代航空機群は、1945年に入ると本格的に猛威を振るい、ようやく出はじめた楽観論を吹き飛ばすに十分な衝撃を、連合軍側に与えた。その結果、米英では戦闘艦艇の建造・配備計画に、大幅な見直を迫られることとなった。その中、新世代の護衛艦として、イギリス海軍に送り出されたのが、犬級フリーゲートである。

犬級の兵装は、大幅に性能が向上した潜水艦、航空機のに対抗するため、これまでの護衛艦艇とは一線を画した強力なものとなった。主砲には、新世代の駆逐艦Daring級用に新たに設計された連装4.5inch両用砲が2基搭載され、また、それ以外の対空兵装として、ボフォース製40mm連装機関砲2基が2番砲塔直前のSquidの管制室の上に、20mm単装機関砲4基が艦橋両舷に搭載された。
 対戦兵装では、従来の爆雷投下軌条やk砲に加え、Squid対潜迫撃砲1基を建造時から装備し、さらに艦体中央部両舷に連装魚雷を1基づつ備えた。この魚雷発射管は、開発に目処のついたホーミング式魚雷の発展型として、対潜魚雷の開発が進められており、その搭載が予定されていたからである。従来のように中心線上ではなく、左右両舷に1基づつ装備されたのは、潜水艦がすばやい動きに対応するためで、敵潜が前方にいる場合はSquidで、左右にいずれかに転舵した場合は、対戦魚雷を使用する戦術が考えられていた。なお、予備魚雷の格納庫がsquid管制室の横に設けられているが、日本の駆逐艦のような次発装填機能はなく、再装填には時間が必要である。

 これだけの重武装を施したため、艦体は著しく強大化し、基準排水量で1820tと、1つ前の艦隊型駆逐艦weapon級並の大きさとなった。それでも、4.5inch両用砲の重量がかさんだために、復元性確保の必要性から、艦の幅はweapon級よりも広い12mとされ、艦橋などの甲板上の構造物もできるだけ簡素なものとされた。艦橋は、2層の低いもので、その上に、射撃式装置と警戒用レーダを載せた小さなマストが設置された。2番砲塔前の構造物は、squidとその管制室、予備魚雷の格納庫などで、上は40mm連装機関砲とその指揮装置で占められており、後檣は設けられていない。

 2,000t近くまで巨大化した艦体を、潜水艦の高速化に合わせて26kt以上で航走されるためには、25,000馬力が必要であった。また、上部構造物を小さく押さえたことで不足したスペースを、艦体内のスペースで補う必要もあり、必然的に機関は小型高出力のスチームタービンとなった。犬級には、従来の護衛用艦艇を即急に置き換える必要性から、短期間に大量建造することが求められていたため、同時期に整備の計画されていたDearing級用のスチームタービンを1基だけ搭載して、1軸推進とした。
 公試では27.5ktを記録し、護衛期間中常に26kt以上の発揮が可能と考えられた。
 推進用機関は1基とされたが、レーダーやASDICなどで増大した電力需要を賄うため、缶は2基搭載され、発電用の小型タービン1基が、推進用タービンとは別に搭載されている。

その後の犬級

 潜水艦による輸送船団への被害の増加に歯止めがかからないことから、50隻の犬級が一度に発注され、その設計、建造にも高い優先度が与えられた。その結果、1945年早々には、1番艦 Sky Terrier が完成した。テストの結果は、復元性にやや不安があること、艦橋が低すぎて操艦しにくいなどの点が指摘されたが、整備が急がれており、すでに完成に近い艦も何隻かあったため、艦橋屋上を露天艦橋として整備する程度の改正で、建造がすすめられた。
 高い優先度が与えられた犬級の建造計画であったが、兵装、機関等をDearing級と共通としたため、これらの生産が追いつかなかったこと、単純に艦体大型化による建造コストの上昇で、45年中に完成したのは14隻にとどまった。翌年の46年には、アメリカで、Fletcher級に続いて大量建造されていた駆逐艦Allen.M.Sumner級が就役しはじめたことから、比較的新しい駆逐艦も対潜護衛艦として改装のうえ貸与されるようになり、建造の重点は犬級からDearing級の駆逐艦に移ってゆく。結局、46年の就役は10隻にとどまり、大戦の最後の年となる47年には2隻が完成したのみで、他は中止されている。
 大戦が終了すると、艦齢が若いにもかかわらず犬級の半数が予備艦とされ、現役から外された。これは、疲弊した国力再建のために国防費が大幅削減されたことが主な原因ではあるが、短期間に設計されたために実際には使いにくい点が多かったことや、兵装の割には艦が小さく改良の余地も少なかったことも原因と考えられる。
 その後、何度か改装計画が持ち上がったが、費用対効果の点から有効と認められず、1960年前半にはすべての犬級が現役を退いている。

Mazking of West Highlang White Terrier

カララン
「あら、艦長さん。いらしゃい。」
「チャロさん、いい加減に艦長は止めてください。指揮艦を失って、もう随分たつんですから。」
「もう、あだ名ですね。」
「ひどいなぁ。」
「はは。いつものでいい?」
「はい。」
コポポ

「はい、どうぞ。」
「ありがとう。チャロさん。」
「でも、ほんと、随分になりますね。艦長さんのお艦が、ここへ流れ着いてから。」
「流れ着いたって・・・。魚雷受けて、やっと浮いてる状態のところに、嵐がせまってたんで、
 この中立港に逃げ込んだんですよ。負傷者も大分いましたから。」
「ごめんなさい。怒りました?」
「いえ。いいんですよ。」
「艦長さんのお艦、West highland white terria号でしたっけ?
 可愛い名前ですね。」
「あのぉ、一応、軍艦なんですよ、チャロさん。可愛いはないでしょう。
 West highland white terria号は、1945年頃から、大量に建造されたフリゲート艦の1隻で、そのクラスの艦はすべてに
 犬の名前がついています。
 まあ、潜水艦などから、船団を守るのが主任務ですから、狼から羊を守る番犬というわけですね。」
「あは、カッコいい名前ですね。」
「はは・・・」

「で、艦長さん、どんな艦だったんですか?」
「それまでのフリゲートに比べると、段違いの重装備で、大きさもちょっとした駆逐艦なみでした。
 まあ、大量建造のために、居住設備とかは、質を落してましたけど、大きい分、乗り心地はよかったですよ。」
「たくさん作るんなら、どうして、大きな艦にしたんですか?」
「West highlannd white terria 号が計画された1944年終わりごろは、大戦の踊り場と言われた年で、大反攻に成功した年です。
 独日がそれまでとは、段違いに高性能な潜水艦や航空機の配備に成功しましたから。
 とくに、潜水艦は、それまでに比べて、速力が倍以上上がり、それまでの護衛艦艇では捕捉しても、逃げられるように
 なったんです。」
「じゃあ、それまでの艦は、全部使えないってことですか? それを、全部新しくするんじゃ、確かに大変だすね。」
「まあ正確には、更新が必要なのは、駆逐艦以下の対潜用艦艇だけですけど、それでも大変な数です。そこで、開発期間を
 少しでも短縮するために、兵装や機関なんかは共通にしたんです。」
「なるほど、それで、艦が大きくなったんですね。」
「ええ。でも、機関の選定は、最後までもめたらしいですが。」
「へぇ、どうして?」
「速力の要求が、中途半端なんです。敵潜は、20kt近く出ますから、こちらは25ktは出ないと、見つけても逃げられてしまいます。
 そうなると、それまでのレシプロ機関では、出力がまったく足りません。といって、駆逐艦用のスチームタービンでは、出力が
 大きすぎて、燃費がよくありません。」
「で、どうしたんですか?」
「同じ砲を搭載した駆逐艦も、艦がそれまでより大きくなって、機関の出力アップが必要になったんで、その機関を1基だけ搭載
 しました。ちょうどいい感じに速力が出ましたよ。30ktを超えると、必要な馬力が跳ね上がりますから。」
「なるほどぉ。あ、でも、艦長さん、ちょっと考えたんだけど、アメリカから輸入するって手もあったんじゃない?」
「まあ、そういう意見もあったらしいですが、アメリカはアメリカで、対空火力を強化した駆逐艦の大量建造に始めてましたから、
 こちらの要求どおり供給されるか不安ということで、却下されたらしいですね。」
「それで、国産技術の粋を集めた、最新鋭艦ってわけですか。」
「まぁ、そうなんですが。機関1基だけといのは、不安ですね。2基あれば、1基とまっても大丈夫ですけど、最初から1基だと、
 それが止まったら、お手上げですから。
 それで被雷した時も、どうしようもなくなって、ここへ逃げ込んだんです。時化のなかで機関を失えば、横波を受けて沈没です
 から。」
「でも、艦長さん。ここも悪くないでしょ。現に、時々でも、こうしておいしいコーヒーも飲める。」
「はは、確かに。でも、ようやく戦争も終わったし、国へ帰れそうです。」
「えっ、あ、そ、そうですか。何年かぶりに、恋人にあえますね。」
「はは、私は、戦争が始まった年に徴兵されて、ずっと海の上です。そんな人いませんよ。」
「ねえ、いっそここに住んだら?」
「チャロさん。私は学校を出て、すぐに船にのって、戦争の間はずっと海軍で護衛任務に付いていました。
 海以外の生活は、知りません。国に帰って、乗せてくれる船を捜しますよ。」
「そう、ですか。」
「なに、明日、あさってに、帰るわけじゃありません。また、寄りますよ。」
「ええ、また、どうぞ。」

カララン
「そっか、帰っちゃうか・・・・・」