[諸 元]
全 長:10.9m
全 幅:14.0m
全 高:3.88m
自 重:2,820kg
全 備 重 量:3780kg
エ ン ジ ン:ブリストル パーシューズXII(905馬力)×1
最 大 速 度:371km/h
航 続 距 離:1,250km
武 装:先方固定7.7mm×2、上方斜め前固定7.7mm×2、
下方斜め前固定7.7mm×2、下方斜め後固定7.7mm×1、
後方旋回機銃7.7mm×1
小型爆弾搭載可
乗 員:2
[概 要と言う名のどつき漫才]
1938年3月某日、ボールトンポール社設計部の片隅にて
先輩技師(以下、先):おおっ!!、いいとこに来た後輩よ。
その後輩(以下、後):先輩が呼んだんじゃないですか、何の御用です?
先:これを読んでみたまえ。
(後輩技師の迷惑そうな表情を無視しながら書類を後輩に渡す)
後:(渡された書類を読みながら)
艦載機の要求仕様ですね、これが何か?
先:解らん奴だな、ビジネスチャンスではないか。我が社はこの仕様に基づいた機体の
製作に取り掛かることになった。幸いにも我が社には優秀なる機体が完成しておる
から、これを母体にしてちょっと改造すればたちまち傑作機が出来上がるであろう。
後:デファイアントですね。でもあれは空軍向けの陸上機ですよ、この仕様じゃあ翼の
折りたたみ機構も必要だし、水上機化も考慮することと書いてますけどそんなに
お手軽にできますかぁ?
先:(少しむっとしつつも、手近に合った紙にコチョコチョと機体のアウトラインの落
書きを書き上げると後輩に見せる)
どうだ、お手軽だろう。

先輩技師のスケッチ(後に後輩が清書したもの)
後:ぎゃっ!?、ほとんど新規設計じゃないですか!!、胴体も嵩上げされてる、(泣き)
原形をとどめるのは主翼だけじゃ…(怒)。
て、中央翼が延長されてるうぅぅぅ〜。(号泣)
先:泣いたり怒ったり忙しい奴だな、しかしこの簡単なスケッチで私の意図した変更点を
理解するとは私も手塩にかけて育てた甲斐があった!
後:あなたに育ててもらった覚えはありません!!。それどころか絶望の縁に立たされ
てばかりのような気がしますけど、ところで動力機銃を撤去されてるようですが、
8基の機銃は翼内に装備するんですか?
先:解っとらんな、主翼には主脚と折りたたみ機構、フロート取り付けと爆弾用のハード
ポイント、燃料タンクであんこギッシリだ、1基の機銃も入るスペースは残っとらんぞ。
それにこのスケッチを見ろ、機首にあるモッコリと中央胴体から力強く突き出た一物が
目に入らんのか?
後:なんか卑猥な言い回しですね、機首の2基の正面機銃はいいとしても、斜めに突き
出た機銃なんか役に立つんですか?、まあ、正直言ってデファイアントの動力機銃
のみって言う装備もかなり疑問ですが。
先:救いがたいな、機首の前方機銃は空中戦に、前上方斜めに装備した2基の機銃は
水平飛行のまま敵爆撃機の死角に占位して命中弾を集中的に叩き込める、下方の
前後から降り注ぐ3基分の銃弾は海上の船舶にとっては恐怖以外の何者でもない、
そして1基の後方旋回機銃は後方につける敵機を追い払うという攻撃と防御をこな
す、まさに完璧なレイアウトなのだよ、それに動力銃座を撤去すれば4基の機銃と
弾丸分の重量は軽く浮く、このようなアイデアは追従するものもない独創的なものだ。
後:(半ば呆れながら)
はあ、そんなものですか。ところでこの機体、どなたが担当されるのですか?
先:何のために君を呼んだのか解っているものと思っていたんだが?
後:やっぱり私なんですね。(泣き)
先:そうそう、1号機の引渡しは来年の9月だから遅れないように。
(と言ってさっさと引き上げる)
後:(落書き同然のスケッチと共に一人残され、さめざめと泣きながら)
鬼や…、あんさんは鬼や(何故か大阪弁)。
1938年12月某日、同所
先:何とか出図は終わったようだな、試作機の進行状況も順調そのものではないか。
(少し残念そう)
ん、顔色が悪いぞ、夜遊びが過ぎるんじゃないのか?
後:最後の追い込みで徹夜続きでしたからね、今日はゆっくり寝かせてもらいます。
先:そこで諸君に残念なお知らせだ、
(なぜか嬉しそう)
わが社はエンジンの争奪戦に敗れ、試作1号機には予定通りマーリンエンジンが供給
されるがそれ以降の試作機や量産機には別のエンジンを搭載することになった。
後:(その場にへたり込んで)
で、どのエンジンに決まったんですか?ダガー?バルチャー?
先:そんな危なっかしいものではない、信頼性に優れたブリストル社のパーシュース
XIIだ。
後:確かに信頼性はありますが、よりによって空冷ですか…、マーリンIIIよりも
100馬力も低いし…、胴体形状が変わるから垂直尾翼も高くしないと…。
先:空気抵抗は若干増えるが、冷却器が要らんから重量的には有利だぞ、改装が進まん
と首無し機が溢れることになる、早速取り掛かってくれ。
(といいながら足取りも軽く立ち去る)
後:(床に大の字になって)
いっそ一思いに殺してくれぇ!!
1939年9月某日、とある飛行場
先:おお、飛んどる飛んどる、さすが我が社の技術陣はすごいのう。
後:(先輩技師の背後から忍び寄り)
あんたは何もしとらんじゃないですか。
先:(ギクリとして後ろを振り返り)
何だ君か、ずいぶんと人相が悪くなったな。
後:誰のせいですか、まあ何とか進空に成功しましたからひとつ肩の荷が下りましたよ。
先:飛行テストの結果を織り込んだ改修があるから気を抜けんぞ。
あ、そうそう、機体の愛称が決まったぞ。
後:何ですか?
先:タイラント[tyrant:暴君]だ、勇ましい名前だろう。
後:そうですか、私はあの飛行機よりもその名前に相応しい人を知ってますがね。
先:そんなやつには会いたくはないな。
後:大丈夫です、先輩には一生会う機会はありませんから。
先:それを聞いて安心した、そういえば以前、君はパーシューズXIIでは出力不足だと
言っておったな、喜びたまえトーラスへの換装が決定したぞ。
後:あんたとはもうやっとれんわ!!
(何故か大阪弁)
[あとがき]
あぁ、何とか終わった。
今回のデザインは、デファイアントの動力銃座を撤去して斜め銃を胴体に目いっぱい
詰め込んだ機体にしてみましたが突込みどころ満載の設定です。
解説もいつもの形式ではなく、掛け合い漫才風にしてみましたがいかがなもんでしょう。
筆を進めているうちに、先輩技師の傍若無人ぶりに拍車がかかったことから、ニック
ネームを「暴君」に決定しましたが、言うまでもなく大暴れしているのはこの機体では
なく、先輩技師のほうでしたというおちです。
作業自体はお絵かき掲示板で何度も愚痴ってますけど、資料不足のせいで作業が遅々
として進まないので投げ出しかけたんですが、清六さん、胃袋さん他の方々の励ましを
受けて何とか完成させることが出来ました、この場を借りてお礼させていただきます。
ほんとにありがとうございました。
[作成ソフト]
Micrographix Designer7
Micrographix PictuerPublisher8
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