インターファルケン社/スウェーデン海軍案

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イブクーロ王国向け巡洋艦 インターファルケン社/スウェーデン海軍案

基準排水量 9800t
全長 194.5m
全幅 20.5m
機関
 B&Wディーゼル 2基/2軸 20000馬力
 Penhoet缶4基/De Laval式ギアードタービン2基/2軸 64000馬力
 合計 84000馬力
最大速力 31.5knt
航続距離 8000nm(18knt)
燃料搭載量 重油3000トン
乗員 1000名
兵装
 Bofors 25.4cm45口径連装砲 3基 (6門)
 Bofors 10.5cm50口径両用連装砲 5基 (10門)
 Bofors 25mm連装機銃 4基 (8門)
 射出機2機 艦載機3機(常用2/補用1)
装甲
 主砲塔正面/司令塔重要部 100mm
 舷側51mm
 甲板29mm

 1930年代初頭、第一次大戦前から整備され、スウェーデンの海の守りの象徴であったスヴェリエ級海防戦艦も、流石に旧式化の感が否めなくなっていた。更にドイツでポケット戦艦ことドイッチュラント級が誕生し、周辺国も対抗艦の建造を開始するなど、欧州の海に緊張感が漂い始めたのである。
 そして、スウェーデンもそれら脅威に対抗する為、海防戦艦ではなく本格的な巡洋戦艦の整備を検討しだしたのだった。

 しかしそれには技術的なブレイクスルーがいくつか必要であった。特にその規模である。これまでにスウェーデンが建造した最大の戦闘艦艇は7000トン級のスヴェリエ級であり、1万トン、2万トンを越えるような巡洋戦艦は未知の分野だったのである。

 ここで試験的に1万トン級の大型戦闘艦艇を建造する、という手もあるかもしれないが、それは大国ならの話である。スウェーデンが、中立政策を貫く為少なからず軍備を力を入れ、また経済政策が効を奏して金融恐慌からも早期に立ち直りえた、とは言えども、その様な予算は降りてこなかったのである。

 そこへキャッチされた情報が、胃国の巡洋艦発注であった。これはスウェーデン艦政本部からすれば一大チャンスである。これに参加できれば、試験的に建造したい1万トンクラスの艦の建造費用は丸々外国から出る上に、そのノウハウを基にして目標とする巡洋戦艦の建造計画を進める事ができるのである。

 設計はスウェーデン艦政本部で、建造はインターファルケン社イエーテボリ造船所があたる。

主な要求仕様に対しては以下のような提示となっている。
≫航続性能:18ノットで8,000浬以上
 ディーゼルとタービンの混合動力とし、巡航用にディーゼルを用いる事で18ノットで8000浬を確保している。

≫主兵装:8インチ砲×8以上
 25.4センチ砲、10インチ砲を6門搭載している。これはフィンランド海防戦艦イルマリネンに載せられたものと同じで、投射量では8インチ砲×8に僅かに劣るものの、最大仰角45度時における36000メートルの射程がそれをカバーする。

≫用途:1.索敵、護衛、襲撃、陸上砲撃、駆逐艦群の旗艦任務
 長射程の10インチ砲を管制する為、高い司令塔を持ち、高い位置に見張りを置けることで、索敵・護衛に有用であり、30ノットを超える速力と超射程の砲を有する事で、襲撃のイニシアティブも取りやすく、陸上砲撃にもより内陸部へ、乃至は沿岸砲兵の射程外から砲弾を投射できる。十分な艦内スペースと、探照灯群を備え、駆逐艦隊の指揮・支援にも万全を期している。

 なお、駆逐艦群を率いるに当たっては砲撃や索敵の支援を以って旨とするため、雷装は省かれている。ノイッチ号は練習艦任務の必要性から雷装が必要とされたが、既に練習艦任務は胃国国産艦で賄える以上、必要性も下がった為でもある。

 蓋を開ければ、特に画期的技術を含むわけでもない平凡な作りであり、それは高速化された装甲巡洋艦といういささか過去の遺物にも見える艦である。しかし、元より勝ち目の無い列強海軍を相手にするのではなく、例えは周辺の南米海軍を相手に考えれば、どの艦艇に対しても速度・射程で勝り、ヒット&アウェイで有利に立てるのである。列強海軍にはもとい勝ち目は無いが、それぞれの植民地海軍に対して睨みを利かせるには十分な存在である。そして何より、中立政策国スウェーデンからの購入、という点がある意味最大の売り物なのだ。胃国が列強海軍の囲い込みに囚われ、将来紛争に巻き込まれることがあるとすれば、それは安全を保障するはずの海軍艦艇が逆に戦争を招いてしまう皮肉な結果になってしまうのである。当然、いつ来るかも判らない戦いに対する備えは必要である。しかし戦わずして平和が得られるならそれが最良である。その双方を望める選択肢が本案ではないだろうか。

文・イラスト ゐ