満州飛行機 十六試艦上戦闘機 A7Ma「帝風」

パッと見は普通、中身はイロモノ(笑)

◆諸元◆
乗員:1名
全長:空母格納時10.995m/水平時11.23m
全幅:空母格納時11.00m/主翼展開時14.00m
全高:空母格納時3.97m/水平時4.40m
正規全備重量:5049kg
武装:一式14mm機銃*2(機首)・九九式二号20mm機銃*2(主翼)・爆弾最大120kg
主翼面積:38.25u
翼面荷重:132.00kg/u
発動機:空冷星型複列18気筒“誉”一一型1800HP
最高速度:592km/h
航続距離:2,200km

◆概要◆
昭和16年6月、満州飛行機は海軍からの艦上戦闘機開発発令を受け、A6Ma(後の帝風)の開発に取り掛かった。要求仕様を見る限りでは、3年前に独立した満飛には経験不足の感も否めないが、今回はそれが逆に自由な発想を生み出させ、異様に早いペースで試作機が完成してしまった(昭和17年10月)のだからわからない。結局、上昇性能と最大速度に眼を瞑り、空戦性能と航続距離に特化した戦闘機を作る事が決定した。

◆機体概要◆
[機体全体]
本機は、戦闘機にしては大型な部類に属する。寸法が仕様をオーバーしているように見えるが、これは彼等が“空母格納時”の寸法を、空母繋留時の容積と解釈した為である。
(例えば全長なら、空母上にある時は胴体部の長さは“本来の長さ×tan11°”となる。)
[胴体部]
まず胴体部であるが、満飛にしてはごく普通の形状である。しかし、開発当初は後に陸軍のキ-98で実際にやった双胴推進式や、Bv141で有名な左右非対称形式等の奇抜な案だらけで見向きもされなかった形式である。通常の形式になったのは、どれも空母の上で扱うには不適当と判断された事が最も大きな理由であろう。
[主翼]
主翼は非常に大きな2桁構造の矩形翼で、主桁の前に主脚収納部、其の後ろに翼内増槽(と称する翼内燃料タンク)、主脚収納部の先には九九式二号機銃が装備されている。ここまで主翼が馬鹿デカイのは、要求性能を満たす為に重量軽減を図るのでは無く、主翼の大型化で逃げ切る手段に出たのである。その為に5t超の大型機でありながら132.00kg/uの低い翼面荷重を叩き出せたのである。然し、それは同時に最高速度の低下を齎す事になった。彼等の考えでは、空母上で運用するのだから、幾等上空で良くても着艦性能が悪くては話にならない。確かな防御装甲と航続距離を持ちつつ低翼面荷重機を作るにはどうしても主翼を大きくするしか無いだろう…との事である。そうと決まれば良くも悪くも暴走するのが彼等の悪い癖、仕様ギリギリの恐ろしくだだっ広い翼を作ってしまったのである。
プロペラが直径3.6mの非常に大きな物を使用した為、外翼にのみ上反角を付け、主脚を少しでも短くしようとしている。もっとも、開発当初は逆ガル翼で進展していたのだが…。
[機首]
機首部は至って普通に纏まっている。二重反転プロペラ使用も考えられたが、製作も点検も面倒な事から早々と却下された。奇妙に思うものと言えばエンジンナセルから出ている“2本の”単排気管ぐらいである(以下、“双排気管”と称する。)
当初、単排気管を機首下部に出す予定だったが、潤滑油冷却機と干渉する恐れがあった為に横に配置する事に変更された。双排気管としたのは片方だとバランスが悪いと言う意見があったかららしいが、詳しい事は一切不明である。
[燃料系](下図参照)

上図より、機首機銃と潤滑油燃料タンクの間を胴体燃料タンクとし、試験の際には胴中央の大きな“機内増槽”を空に、主翼内の“翼内増槽”にはそれぞれ5割ずつ入れてして臨んだのである。
[武装]
武装配置は零式艦上戦闘機を踏襲し、機首と主翼内に分ける事にした。翼内機銃は零式譲りの九九式二号機銃を搭載し、後に二号四型に換装されている。
機首の一式は、十四試14mm機銃と同時期に秘密裡に開発されたもので、ベルト給弾式ショートリコイル機構を採用している。結果、機首同調が可能になり、十四試と同じ弾薬を使用しながら全長が10cmほど短くする事が出来た(と言っても1.7mとデカイのだが)
噂ではブローニングM2をコピーしたとか、陸軍のホ-103を盗作したとかあるが、それにしては銃本体も弾丸も長いのでそれは当て嵌まらないと判断出来る。

◆後書き兼裏話兼愚痴(笑)◆
20th以降、2回目の飛行機の部参戦ですが…、意外にすっきりと纏まった違和感たっぷりの本機(自爆)には、実は結構裏話が有ります(傍から見れば、“突っ込まれる前に自分で突っ込む”自虐的行為とも言えるのですが…)

1.メーカー
“また”満州飛行機です。胴体部の所で述べていますとおり、最初は逆ガル矩形翼に推進式左右非対称…と言う、20thを上回るゲテモノを考えてました。独機ならまだしも、日本機だと確実に“浮く”ので止めました。
2.ネーミング
史実では畏れ多くて絶対に付けられません(苦笑)。最初は「烈風のパロだから“裂風”(勿論メーカーは三菱)で良いかな…」なんてことを考えてましたが、それだと面白くないので「史実では絶対に付けられないような名前」を色々と考えてました。当然「神風」も候補の1つでしたが、特攻隊の方でえらく有名になっている分、多少刺激が強いと考えました。
3.胴体部
本を持っている人、詳しい人なら見ただけでわかりますが…実はコレ、烈風の写しです(爆)
機首武装を入れる為に機体を多少長くしたり…銃身が納まらないからと言って全体を多少太くしてはいますが…胴体後部は烈風其の物です(汗)
とは言え中身は装甲板でいっぱいなのですが。
何せ…脳内に常駐する“非対称機の鬼”たる某博士が常に悪知恵を吹き込んでくる為、気付いた時にはゲテモノが頭の中を駆け巡ってる状態なんです(20thはまともにその結果が出てきたものです)
4.主翼
恐らくでなくとも、本機最大の特徴であり最大の違和感を醸し出させるのはこいつでしょう。翼面積にして烈風の1.25倍も有るものです。実は比較的最初から決めてて最後まで形は変わってません。この面積で仕様ギリギリの翼面荷重150kg/uに合わせようとすれば、5737.5kgまで可能になります。が、其処まで重たくすると最高速度がかなりお粗末な結果になるのと、そこまで重たくする部分も無いのでほどほどにしてます。
5.燃料系
自分でやってていうのもなんですが、航続距離とのバランス、全く考えてません(ォィ
むしろ詰め込みすぎて過荷重6t近くに跳ね上がりそうな感じです。なんと言うか…防弾装甲の上の操縦者が燃料に取り囲まれている状態です。そんな意味では結構危ないんですけど(汗)
6.武装
禁弾の領域、架空武装に手を出してしまいました。しかも14mm…。モデルは勿論十四試14mm機銃です。理由としましては…「ホ-103よりも威力ありそう」が一番に挙げられます。
「S氏作成のデータを見て惚れ込んだ」のは秘密です(爆笑)
翼内の九九式は…四号はまだ出てないはず…ですね(自信無し)
7.寸法
解釈の違い云々と有りますが、完全に挙げ足取りです。
ネタ満載なので寸法をネタにしても良いかなと考えた訳でして…“空母格納時”の言葉に引っ掛かる物を感じまして、こんな暴挙に至った訳です。

実は画像作成にもツッコミ所多き方法で描いているのですが…それはまたあとと言う事で…。