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第四圖南丸は日本水産株式会社が捕鯨母船として建造させた船である日本水産は南氷洋における捕鯨のため三隻の捕鯨母船第壹圖南丸第貮圖南丸第参圖南丸の三隻を昭和拾四年までに完成させていたが、ここに日本最大の商船として大阪鉄工所桜島造船所にて昭和拾四年一月起工昭和拾五年九月竣工したのが第四圖南丸である、本船はこれまでの捕鯨母船より拡大されており、全長二百八.七m全幅二拾四.七m総噸数二萬四千五百五拾噸という日本最大の商船となった船体は鯨油槽が船体内部に設置され、その上の上甲板に採油機が設置される大部屋がありその上の最上甲板は鯨の解体を行う長さ百七m幅二拾四.五mの真っ平らな甲板になっている。最上甲板最前部には解体した鯨を採油場へ搬送するための昇降機がもうけられている寸法は縦拾五.五m横拾五mである、最上甲板最後部から艦尾に向かってスロープが設けられ鯨の搬入を行えるようになっており幅は八mある。 表向きは捕鯨母船であるが帝國陸軍よりの命令と運航費建造費等の補助をうけ揚陸艇母船としての機能を加味されている。最上甲板には大発を最大四拾艇搭載が可能で大発は最上甲板上に設置された軌条に乗り軌条下のワイヤーにより移動する、一度に二艇の大発をスロープより発進可能となっている、また上甲板にも大発を始めとする各種装備の積載が可能で昇降機によって最上甲板へと運び上げられ、上甲板後部には仕切りを儲ければ兵員室として使用が出来るようになっている、特設兵員室は縦四拾一.七m横二四.五m高さ四.五mの部屋でその中に一八〇cm×九〇cmの寝台が四段式に装備され幅九〇cmの通路六本を挟んで十一列並んでおり収容兵員は一八三六名である。 船体底面は完全な二重底となっている。船体断面は五層構造になっており右舷側から見ると右舷外版、水密鋼管を充当した右舷バルジ、右舷油槽、中央油槽、左舷油槽、水密鋼管を充当した左舷バルジ、左舷外版となっている、通常商業活動時は全油槽に鯨油及び重油を積載するが揚陸時は全く積載しないか中央油槽のみに積載し他の油槽には水バラストを積載する。 機関はそれまでの圖南丸各船がレシプロであったが船体の大型化及び揚陸船団との速度の兼ね合いから蒸気タービンを採用し重油石炭混焼三菱水管罐四罐、三菱ツェリー式蒸気タービン二機二軸、出力三万七千五百馬力にて最大速力二十二.八ノット平均速度十八ノットを発揮可能とした。機関室の側面は外版側から水密鋼管入りバルジ、燃料重油槽、石炭倉庫となっている。 第四圖南丸諸元 日本水産株式会社所属 全長 208.7m 全幅 24.7m 総噸数 24、550噸 主罐 三菱混焼式水管罐四罐 主機 三菱ツェリー式蒸気タービン二機 軸数 二軸 最大速力 二二.八ノット 経済速力 拾八ノット 燃料 石炭二千噸 重油三千噸 航続距離 十八ノット/八千海里 武装(揚陸母船時) 八八式七.五糎高射砲3門 九八式二〇粍高射機関砲聯装六機 乗員八〇名 作業員一二〇名(揚陸母船時は乗らず) 兵員最大二一九六名 大発搭載 通常四〇艇 最大六四艇 小発搭載 一〇艇 建造所 大阪鉄工所桜嶋造船所 |