三菱重工 一式装甲兵員輸送車



通常型




速射砲搭載型



◆諸元◆
<通常型>
乗員:4名 兵員:10名
銃眼:6個(左右2個ずつ、後方の扉に1個ずつ)
全長:5.70m 全幅:2.32m 全高:1.70m
全備重量:8.7t
武装:九七式20粍自動砲*1、九七式7.7粍車載機関銃*2(同軸*1、車体*1)
発動機:百式統制直列6気筒空冷ディーゼル130HP*1
最高速度:50km/h
装甲厚:5〜16mm
航続距離:300km

<速射砲搭載型>
乗員:2名 速射砲要員:4〜6名
全長:5.70m 全幅:2.32m 全高:1.84m
全備重量:10.2t
武装:一式47粍機動速射砲*1、九七式7.7粍車載機関銃*1
発動機:百式統制直列6気筒空冷ディーゼル130HP*1
最高速度:50km/h
装甲厚:5〜16mm
航続距離:300km

◆概要◆
本車は、三菱重工が大転輪型の九八式軽戦車、秘匿名称ケニB開発の経験を活かして開発した装甲兵員輸送車である。ケニBの開発をもとに製造されただけあって、概観は非常に特徴あるものとなっている。(上図はいずれも無線機搭載型)

◆内部配置
本車の内部概要を以下の図に示す。
 
まず前方、右に操縦手、中央に車体機銃手兼無線手が座り、左端に無線機と無線機用バッテリー、変速機となる。やや狭い感が否めないが、そのために椅子を若干低く配置しており、無駄な隙間を無くしている。
すぐ後方には百式空冷直列6気筒統制ディーゼルエンジンが横置きに配置されている。九八式軽戦車でも使用された方法で、うまく全長を抑えられるのが特長である。全幅が大きくなるが、それでも横置きにした理由は後に述べる輸送兵員の配置に関係している。
エンジンの後方には、やや広めの戦闘室があり、兵員とは隔離されている。ここに車長兼同軸銃手と砲手が並ぶ事になる。なお、速射砲型には兵員室との隔壁が無い。
最後方には兵員室がある。中央に背中合わせで10人座れる所が設けられており、小さなドアのついた銃眼が左右に2つずつ、後部扉に1つずつ付いている。扉は手で押し開ける形式で、中から簡単な閂をかける事ができる。座席の下に燃料タンクとバッテリーがある事は知らされていない。なお、速射砲型には銃眼は無い。

◆攻撃力
(共通項)
前述の通り、中央に無線手が位置しているため、前方の機関銃が車体中央に位置してしまっている。
(通常型)
要求仕様と比べればやや過大に見える武装だが、これは本車が歩兵支援も可能なように製造されているからである。勿論、戦車に比べれば甚だ頼りないが、かと言って降ろした歩兵の支援が出来なければただのお荷物でしかない。そこで、敵機関銃座や敵装甲車程度なら制圧可能な九七式自動砲を砲塔に載せたのである。ただし、兵員室との位置関係もあって、左右150°までしか旋回出来ないのが難点ではある。
主砲同軸機関銃だが、なぜか主砲の右側に位置している(ケニでは左側)。恐らく主砲の操作性を向上させたかったのだろうが、車長が装填・発射して砲手が旋回させるため、使い勝手は悪いであろう(無いよりは良いかも知れないが)。
(速射砲型)
戦車砲より強力な、53口径一式47mm機動速射砲を搭載している。後座長の関係で全周旋回砲塔にする事が出来ないが、兵員室の隔壁を取り払って一体型としたため、主砲の俯仰が広くなった(+45〜-10°左右45°ずつ)。
もともと戦闘室に固定して運用する事を前提としているために開脚とタイヤは取り外されているが、いつ外して運用出来ても良いように、戦闘室(兵員室)左側に開脚とタイヤ、右側に弾丸ラックが置いてある。(要員は席に座っている)

◆防御力
双方とも最大装甲厚16mmであるが、傾斜装甲を濫用多用しているため、実際の防御力は若干高い。生産性向上と傾斜装甲を上手く活かすため、装甲板は全て第I種防弾鋼板、即ち、普通の焼き入れのみを施した防弾鋼板で出来ている。このため、第II種鋼板(浸炭鋼板)を使用している中戦車よりも格段に少ない生産工数と生産コストで製造する事ができるのである。後に工場での話によると、現代で言う組み立て式のプラモデルのような感覚で製造する事が出来、改めて浸炭鋼板の生産性の悪さを痛感したらしい。

◆機動力
ケニBの大直径転輪をそのまま踏襲したため、平地での最高速度は50km/hに達した。もっとも、大直径転輪であるがゆえに、不整地で無茶な走り方をすると履帯が外れかけた。このため、試作段階で履帯幅を中戦車と同じ33cmにしている。燃料タンクは兵員室の座席の下にあり、125リットル(20cm*50cm*125cm)入れる事ができる。128リットル入るケニと同様に、300km近い航続力を期待する事が可能である。

〜あとがき〜
…遅れました(爆)
手直しとか言っているうちにしょうも無い凝り性が出てきて結構めちゃくちゃに…(苦笑)
今回の車輌ですが、結構すっきり纏まりました、側面だけは。
正面から見るとロシア系の匂いが漂ってしまうのは…意識してません。

ただ、今回は調べすぎが原因でしょうね。エンジンとかエンジンとかエンジンとか(笑)
まさか大学の図書館に実物の写真(白黒ですが)があるとは思っても見ませんでした。内部配置図にありますが、前後が逆でない事を祈るばかりです。

実はこれ…最初は全長6.7mものデカブツだったんですよ。座席の大きさを電車の中で測ったりエンジンを横置きにしてみたり…(砲塔は企画段階からつけようと思ってました)
結局は色々やって若干仕様を無視する所もあるのですが(乗員は4名のままですし(ォィ))

後部誘導輪が若干下がってますが…ただの計算ミスですので、気になさらぬよう…orz

                                                   2006年1月24日 Rabenschwarz