
|
諸元 基準排水量 : 20,500t 全長 : 270.0m 全幅 : 20.0m 吃水 : 7.0m 主機/軸数 : ディーゼル8基,2軸 出力 : 115,000馬力 速力 : 31.5kt 航続力 : 16,000浬/23kt 兵装 : 15cm砲3連装×2 37mm対空機関砲連装×24 水上機射出機×2 搭載機 : 水上機常用48機,補用8機 はっきり言って、海軍当局は空軍の艦載機開発計画を毛の先ほども信頼 していなかった。そんな状況で、航空母艦を建造しても馬鹿を見るだけで ある。そこで代替案として、水上機母艦の建造計画をでっち上げた。水上 機であればすでに、十分に使い物になる機体が存在している。 しかしながら、万が一にも使い物になる艦載機が完成した場合には、早 期に航空機母艦を入手する必要に迫られる。そんなジレンマから、生み出 された計画が、『比較的簡単に空母に改装できる水上機母艦の建造』であ った。 空母「グラーフ・ツェッペリン」建造に際して、日本海軍から入手した 資料のなかに、この計画にうってつけの設計があった。「千歳」級のこと である。水上機母艦「シュツッツガルト」はこの「千歳」級の設計をもと に設計された。その違いをおおまかに述べると下記のようになる。 まず、搭載機増加のために艦を大型化する必要があった。この点は、単 純に船体を大幅にストレッチすることで強引に解決した。このため、船体 の全長:全幅比は13.5:1と、異様に大きくなっている。また、船体のスト レッチに伴い機関室もストレッチされたため、機関出力は大幅に向上して いる。船体の長さとあいまって、速力も、特に巡航速力が大幅に向上して いる。 兵装は、軽巡と同様に15cm3連装砲塔を2基搭載している。限定的ながら 軽巡に対抗し得る砲火力を備えている。艦上のスペースは、水上機搭載の ために使用されるため、砲兵装を装備する余裕はあまり無い。このため、 主砲以外の火器は、37mm機関砲のみとなっている。ただし基数は連装24基 と十分以上の数を備えている。 また、水上機射出機は日本から購入した大型のものが装備される予定で ある。現行の計画では射出機は2基となっているが、4基までは増設可能な 設計となっている。 現在のところ、水上機母艦「シュツッツガルト」の計画は、海軍内の航 空主兵派に非常に受けが悪い。航空戦力の何たるかを理解していない、と 言うのである。一方で、通商破壊重視の派閥には意外に受けが良い。彼ら にとって、航空機は輸送船を発見し、破壊するための兵器に過ぎない。そ の目的からすれば、艦上機にも水上機にもさしたる差違はない。 ・・・ただ一つ、敵の航空母艦と対峙する事態を考慮しなければだが。 もっとも通商破壊戦は、有力な敵とは戦わず、逃げるのが常識である。 |