☆大英帝国最後の戦艦☆

英国の新戦艦

大英帝国海軍は 東京海軍軍備制限条約 成立後、日本の意外なまでの素直な参加に戸惑いつつも、それを受けて、植民地防衛と通商 路防衛の為に以前承認されていたN3及びG3計画を現実的な計画へと変更にのりだした。
世界に冠たる大英帝国とはいえ戦後の不況の影響がないわけではなく、また戦前までのドイツとの建艦競争、戦後の日米の 建艦競争の愚かさは大英帝国指導層の知る所であった。2つの異なる計画を同時進行させるつもりは当初無かったのであるが 東京条約に参加したドイツの再軍備と、それ以前からあるポケット戦艦とよばれる10,000t級戦艦による通商破壊に対する脅威, そして条約締結後軍縮とは裏腹に 各国の建艦活動 が活発になったことが大英帝国に2クラスの戦艦を開発させる決意をさせた。 ひとつは当初から予定されていた キング・ジョージX世級 で、米国のノース・カロライナ級同様、将来16インチ砲に換装可能な中速戦艦。 もう一つは速力航続力を重視しドイツポケット戦艦、巡洋戦艦を仮想敵とした高速戦艦アルビオン級であった。

新高速戦艦はドイツの計画している巡洋戦艦シャルンホルスト級を攻撃・防御・速力で凌駕し、ドイツに対しての抑止力として大西洋 航路の安全確保の一助とすることを目的とした。 新戦艦に対する要求は、基準排水量35,000tの中で主砲50口径14インチ砲連装4基8門以上、50口径5.5インチ連装両用砲 4基8門以上、最高速力30ノット以上で、巡航速度(10ノット)での航続距離は4500海里以上とされた。 大英帝国海軍は先の計画にもとずき、アルビオン級及びキング・ジョージX世級の建造枠を得る為に 艦齢20年を超える旧式戦艦を新戦艦の就役にともなって退役させることを決定した。 その中にはすでに近代化改装を行っていた艦もあって、 この時点で態々改装まで行って、充分現役に足りる能力を付加した戦艦を 退役させ新戦艦を造るよりも海軍の建造予算を押さえて設備投資にまわしてはどうか等の批判の声が各所から起こった。
しかし反対、批判の声をよそにアルビオン級の設計は完了。ジュットランド沖海戦の戦訓を充分盛り込み 基準排水量35,000tの枠内としては主砲が14インチと小ぶりな事もあってバランスのとれたものだった。
1番艦の発注は大英帝国海軍の象徴、当時世界最大の戦艦フッドを建造したジョン・ブラウン社になされ、 条約による建造制限明けの1937年1月6日から建造が始まった。
アルビオン級の主砲配置は前面に集中配置するネルソン級のものをやめて背負い式に艦首尾に2基づつ配置 する方式に改め、船体は高速度を得る為に全長242mに対して28mと大英帝国ではレナウン級(史実では改装前) に次ぐスマートな形を選択した。欧州戦艦の多連装化する風潮に逆行する連装4基8門の主砲配置は、 高速を得る為に艦幅を細くする事が可能、仮想敵であるシャルンホルスト級に対抗するには充分な火力をもっていた。 また、速度を重視した艦首は<フッド>同様バルバス・バウを採用した。艦首形状は高速巡洋戦艦の流れを汲むもので 本級に高速性のあるフォルムを与える一助となっている。

機関は蒸気圧力の高い英海軍式缶8基、蒸気タービン4基4軸で140,000馬力を発揮、流麗な艦体とあいまって 高速発揮が期待された。 また、機関はシフト配置にされ、機関区への被弾時の損害を最低限におさえる努力がなされている。 装甲は水線で340mm、甲板で152mmとレナウン級の倍、主砲は( 史実のキング・ジョージX世級と共通のもので ) 前盾330mmバーベット330mm、指令塔の装甲も254mmに達し、水線装甲はネルソン級と同じく22度の傾斜装甲 とインナーアーマーが採用されている。抵抗を増やすことなく主要防御区画は水線下の装甲も320mmに達し 弾火薬庫と機関区画も従来の艦と一新した防御配置を考慮してあるなど、正当なポスト・ジュットランド戦艦と 呼ぶにふさわしいものとなっている。 副砲はキング・ジョージX世級と同じ新設計の 50口径5.5インチ連装両用砲 で、 従来の戦艦のように対空対小艦艇に対しそれぞれの用途ごとに装備するのではなく、どちらに対しても使え、 重量的にも節約できることになった。
対空兵装は40mm機銃31挺、ポムポム砲2基を装備。5.5インチ両用砲とあわせ、強力な弾幕を期待で きた。
また、タイプ79対空レーダー、合衆国との技術交流によって開発されたタイプ286P対水上レーダーを装備し ていたため、枢軸海軍にたいして有利に戦いを進める事が出来ると考えられた。

<アルビオンAlbion>と名づけられた1番艦の発注は大英帝国海軍の象徴、 当時世界最大の戦艦フッドを建造したジョン・ブラウン社になされ、 条約による建造制限明けの1937年1月6日から建造が始まった。 <アルビオン>とは英国南岸の絶壁に由来する 英国の古名で、さしずめ日本なら<大和>か<扶桑>にあたる名前であり英国の本級に対する期待を感じ取れる。
進水式には元海軍大臣でアルビオン級の計画を強力に後押ししたW.D.チャーチル卿が出席、その姪がシャンパンを割っている。
進水後儀装中にドイツのポーランド侵攻が起こり、英国はポーランドとの同盟に基きドイツと戦争状態に入った。 そして26ヶ月後、第二次大戦が始まって6ヶ月が過ぎた1940年3月 15日に竣工、同月末に公試を行い、ほぼ所期の性能を発揮、 最大速度は31.6ノットを記録、高速戦艦としてまずまずのデビューを果たした。生みの親とも言うべき チャーチル卿は首相官邸で報告を聞き満足そうに葉巻を燻らせたという。

配属は同年6月のイタリアの枢軸側参戦によって地中海での海上作戦能力強化の為に編成された 戦艦<ヴァリアントValiant><レゾリューションResolution>巡洋戦艦<フッドHood>を基幹とする サー・ジェームズ・サマヴィル中将率いる特殊部隊"H部隊"(マルタ島、北アフリカ輸送船団の護衛を主任務と する)に決定。<フッド>とともに巡洋戦艦隊を編成した。 アルビオン級はれっきとした戦艦であるのだが、この時点では性能的に戦隊を組むには<フッド>以外にはありえなかった。
その後本級は、建造中のドイツ戦艦ビスマルクの性能が発覚し、大英帝国は16インチ砲を主砲とする キング・ジョージX世級の生産に重きをおいた為、3番艦以降の建造は遅延、一時は中止の話も持ち出された が ビスマルク追撃戦 のおり、キング・ジョージV世級の防御上の欠陥が露見し、同級の建造を中止、以後本 級の建造が優先された。
第二次大戦中本級は合計4隻建造され、世界各地で活躍、大英帝国の勝利に貢献した。


制作者の渡部@猫乃手本舗です。
はじめに、今回この作品をつくるにあたって多くの方々に協力、添削をしていただいたことに 感謝いたします。

しかしながら、↑のような協力をいただきつつ、しかも 今回は競争試作の条件提示から〆切まで時間があったにもかかわらず、 うまくまとめる事ができませんでした。 誠に不徳のいたすところではありますが、 皆様の優秀な頭脳でなんとかまとめて納得してもらえるだろうと期待と不安(?)を抱きつつ 投稿してしまいました。 しかし、今回で3回目の競争試作のコーナー(投稿は2回目)ですけど、 すっかりずっぽりはまってしまいました。いやはや・・・・。(^^;;;;

本文中のリンクからは脚注へ繋いであります。あっちこっちと忙しいでしょうが(そのまま1ページに してしまうと読み込みにエラク時間が掛ってしまうのが判明。)、 HPの更新と睡眠時間をなげうって作りましたので、ひとつ、最後まで端折らないで 誤字脱字を探して下さい。
英国の戦艦がジュットランドの戦訓をきちんと取り入れて建艦していたら・・・。から始まった作品ですが、 いつのまにか大暴走していたようで、反省も(少しだけ)しています。
本来競争試作なんだから、戦記やら何やらは不要な気がするので・・・。
でもつくってて楽しかったからいいか・・・。

それではおやすみなさい。<マジで徹夜だった。