日本海軍 防空巡洋艦「五ヶ瀬」

「五ヶ瀬」
画・諸元:渡部 篤氏

諸元
基準排水量 7352t
垂線間長  162.0m
幅       15.2m
平均喫水   5.6m
主機      艦本式GT4基、4軸
主缶      ロ号艦本式缶6基(重油専焼)
出力      100,000馬力
速力      35ノット
航続力    18ノットで6000浬
兵装      10cm65口径連装高角砲3基
         25mm3連装機銃8基
         「南風」5機(格納庫3機、露天1機、カタパルト上固定1機)
乗員      698名

 昭和14年、来るべき航空兵力優先の時代を見越して、防空駆逐艦とも言うべき「秋月」級の建造が 開始された。
 しかし、この時すでに、一部の閣僚からは「秋月」級では防空任務には中途半端という 意見が出されていていた。
 約2年の後、さらに徹底した防空艦とすべく、艦種を巡洋艦に拡大し、なおかつ完全なる発送転換を 図った画期的な防空巡洋艦が着工された。
 「五ヶ瀬」であった。
 では、なにが画期的であったか?
 それは、主たる対空兵装を「水上戦闘機」としていた点にあった。
 大艦巨砲主義が固持される一方で、今後、航空戦力が主たる戦力となりうることは予想されたため、 航空機による対艦攻撃からいかに艦隊を防衛するかを考えたとき、戦闘機による迎撃が 一番有効であることは明白である。しかし、航空母艦の建造には、資材・時間ともに大量なる投入が 必要なうえ、艦隊防衛という任務に多くをさくことは事実上不可能であった。
 そこで出てきたのが、巡洋艦に水上戦闘機を搭載し、それを防空用の主たる兵装にしようという 考えであった。これならば、建造は航空母艦に比べはるかに簡単である。しかも、4〜6機の水上戦闘機を 搭載した本艦を艦隊に数隻配置すれば、高角砲を備えた艦を多数配置するよりも、効果はかなり上回ると 予想された。
 しかも、搭載すべき水上戦闘機は、十五試水戦(後の「強風」)に加え、零戦を改造したものも 試作中であり、機種に事欠く心配はなかった。
 艦形は建造中であった大淀型を参考にまとめられ、似た形の格納庫を後部甲板上に備えていた。 高角砲は、航空機の撃墜に用途を限定していたため、10cmで十分と判断された。また、 あくまで水上戦闘機の補助という位置づけであったため、全部×2、後部×1の連想砲塔3基に とどめられ、その分の余力はすべて水上戦闘機の艤装にまわされた。

 しかし、建造も進んだ昭和18年半ばになって、頼みの水上戦闘機「強風」の低性能があきらかとなり、 計画自体に危機的状況が訪れた。
 そこで白羽の矢が立ったのは、試験中の十六試艦偵であった。
 不具合が続き、未だ試験中とはいえ、その高性能はすでに明らかであったため、これを水上戦闘機に 改造するという案が持ち上がったのである。
 この改造は、本来の十六試艦偵よりも順調に進み、「五ヶ瀬」が竣工する昭和19年にはなんとか 実用の域に達し、水上戦闘機「南風」となった。


作者からのコメント

 どうも,胃袋3分の1です。
 飛行機だけバカのくせに、スケベ根性を出して船に挑戦してしまいました。ただし、やはり船の絵は 描けませんので、渡部さんにお願いしてしまいました。しかも、私は構想を伝えただけで、デザインは ほとんど渡部さんが考えてくれて、私はホントに細部の手直しをしただけです。(^^;;;;; さらに、諸元まで考えていただいて、本当にお世話になってしまいました。この場を借りて、 お礼を申し上げます。m(_'_)m
 ですから、今回は私の作品と言うより、渡部さんとの競作だと思ってください。

 それにしても、船のことを全くと言っていいほど知らない私が考えた防空巡洋艦ですから、 まさに恐いもの知らずですね。(笑)
 私自身は、非常に気に入った発想なのですが、艦船に詳しい方から見るとどうなんでしょうか?
 そのへんの感想を聞かせてもらえるとうれしいと思います。(^o^)

 なお、艦名の「五ヶ瀬(ごかせ)」は、「大淀」と同じく我が故郷「宮崎県」の川の名前です。 大淀川ほど大きい川ではありませんが、きれいな川で、なにより名前もきれいなので採用させて もらいました。
 ・・・ホントのところは、県内にある他の大きな川は名前がロクなものがないという のが真相です(笑)。だって「耳川(みみがわ)」とか「小丸川(おまるがわ)」ですからねぇ・・・。 「耳」「小丸」なんて艦名はちよっと・・・(^^;;;;;