大日本帝国海軍防空巡洋艦「燈明」級

「燈明」級

諸元
全長・・・148.9m
全幅・・・22.2m
基準排水量・・・7,450t
機関出力・・・120,000hp
最大速力・・・33kt
航続距離・・・7,600浬/18kt
乗員・・・761名 同型艦・・・「鳴滝」「妹背」「貴船」
兵装・・・65口径一〇cm高角砲連装9基,25o連装機銃3連装6基

〜〜〜解説〜〜〜

 ・・・昭和十六年末,海軍軍令部は艦政本部に新型対空巡洋艦の設計依頼書を提示した。その際の要求は,「排水輌7,000t〜10,000t前後,速力30kt以上,航続距離18ktで7,000浬,高角砲20門」といったものであった。
 艦政本部もこれを了承し,積極的に設計を進めていった。
 だが,ある点でどうしても要求が満たせなかった。どうやっても,高角砲を20門を載せる事が出来なかったのだ。艦政本部は後になって軍令部に設計変更の申し立てをしたが,軍令部からの返事は唯一つ,「否!」であった。
 そんな時,この状況に痺れを切らせた一人の人物がいた。軍令部第二部長であった,後藤喜一大佐である。彼は,当時でこそ第二部長と言う目立たないポストに追いやられていたが,その能力は計り知れないものが有った。かつて軍艦設計もかじっていた事もあり,特に中小艦艇の設計では,彼は今までにもかなりの功績を上げている。
 その彼が提案した艦は,まだ開発中であった60口径8cm高角砲である。これを連装12基にした艦であった。これを彼は「仮称『天降』」と称して,一個人の案として提出したのだ。
 本来ならば門前払いされるのがオチだったのだろうが,艦政本部案が満たしていない20門以上と言う条件を,見事に「天降」は果たしていたのだ。そのため,この案は取り敢えず検討の対象となった(もっとも,その裏には平賀造船大佐の強い後押しが有った事も否定できないが)。
 俗に「長8cm砲」と称されたこの砲は,傑作として知られた九八式十p高角砲を縮小した感じの設計であったが,オリヂナルと違い,命中力に難があった。もっとも,これは長砲身砲としては当たり前の事で,九八式が特別だったのである。
 艦政本部が提案した案とは,どのような物であったのだろうか?艦政本部は,九八式十pを使用することにしていた。これを連装9基にするのである。
 九八式は,確かに高性能ではあったが,量産性,耐久性その他の面からすると決して傑作とは言えない砲でもあった。砲身も磨耗が異様に早いのも,実戦においてはマイナスに作用すると判断されていた。
 果たして,どちらの案を採用すべきか―――軍令部内は,大揉めに揉めた。どちらもそれなりに説得力・実現性のある案であり,両案とも熱烈なる支持を浴びていたのだ。「燈明」か,「天降」か・・・・・・軍令部内は,例の如くまたしても分裂状態に陥ったのだ。最早内部分裂とは軍令部の18番と化していた。
 その泥沼の状況に終止符を打ったのが,及川軍令部総長の一声である。
 曰く,「かつて山本君も航空戦は量が肝心と言っておった。揉めているなら両方作って,両方使えばいいじゃないか。数は多ければ多いほどいいだろう?」
 この言葉により,自体は一気に沈静化の方向へと向かった。ここが軍令部の恐ろしい所でもある。
 結局,海軍は「阿賀野」「大淀」の両軽巡を建造中止にして,「燈明」「天降」両級の建造を急ピッチで開始したのである。
 「燈明」は,昭和17年中頃に建造が開始され,19年初頭に全艦が竣工した。
 訓練もそこそこに,「燈明」級4隻ほぼ同時期に竣工した「天降」級6隻は,揃ってマリアナ沖海戦に参加,その中で「燈明」級は旗艦「大鳳」を擁する第一機動艦隊の防空護衛を務めた。激戦の中,「燈明」級はその優れた命中制度を遺憾なく発揮した。結果,旗艦「大鳳」が潜水艦の魚雷により爆沈したものの,「翔鶴」「瑞鶴」の両艦を守り抜いたのである。
 その後は暫く大した活躍もなく,暇を持て余していた「燈明」級だが,レイテ沖海戦では囮となっていた機動艦隊を獅子奮迅の働きで護衛した。「翔鶴」「千代田」が撃沈されたものの,「瑞鶴」「千歳」を護衛し抜くなど,その活躍は米軍にも広く知られる事となった。
 一隻を欠く事もなく昭和20年を迎える事となった「燈明」級の最後の役目は,「大和」の水上特攻の防空護衛であった。1,600機もの米軍機を果敢に迎え撃った「燈明」型は,次第にその傷を増しつつも最後まで戦った。「大和」が撃沈されるまでに,「妹背」「貴船」が撃沈されたが,両艦とも横転する最後の瞬間まで,九八式十p高角砲を発射し続けていた。
 「燈明」「鳴滝」は,結局奇跡的に生き残り,賠償艦として連合国に引き渡された。
 「燈明」は英国に引き渡され,「シェフィールド」と改名され,1972年まで現役であった。「鳴滝」は,ソ連に引き渡されたものの,ご多分に漏れずその後の経歴は一切不明である。



代理コメント

 どうも,海野土左衛門です。本来コメントは奴が付けるべきなのですが,何処をどう見てもコメントが書いてないので,私が代理を書きます。
 それにしても,無理のある艦だなぁ・・・^^;;この艦体に,どうやって120,000hpもの出力を誇る機関を搭載するんだ?うむむむ,幅がある,と言ってもねぇ・・・
 ・・・ふむ,書き様がないな,コメント(笑)
 ネタがないので,ここいらへんで・・・


原案:(財)郷研聯盟ゴムサンダル工業会雑務長 甚八
作画:(財)郷研聯盟ゴムサンダル工業会会長 海野土左衛門