16試艦上偵察機「あえて熱田」

「あえて熱田」

今回の要求仕様は、非常に難解である.
昭和16年発令というのが、たぶん味噌で、 選択肢がそれなりにあるから、 いろいろな案がなりたつようにも見える.
しかし、この航続力要求、爆弾搭載量、 (急降下爆撃は要求されていないが)高機動力と 速度性能をバランスさせようと思うと、 答えはふたつしか考えられない.

そのうちのひとつが、今回、世に問う問題作、 「あえて熱田」である.
発動機出力は、大きいほうが良いように思えるが、 燃費との兼ね合いを考えれば、1300−1400馬力 クラスが、単発機サイズに収納するための上限では ないか?
しかも本機は、あえて空母整備員の便宜を考え、 おおきな折り畳み主翼を採用している.
当然、外翼には、燃料タンクを仕込めないから (これだけで、150Lx2くらい損をしている)、 その分を胴体タンクを大きくしなければならない.

速度...単発を採用するなら、全面投影面積を 極めて小さくする必要がある.ここは液冷の「熱田」 しか選択できない.本機は、その特徴ある垂直安定板 の形状とあわせ、胴体の投影面積1.15平方メートル におさえ(P-51よりも10%少ない)、しかも傾斜した キャノピー形状とわせて非常に空気抵抗が小さい. 視界の悪さは我慢してもらおうね.

主翼面積は20平方メートル.離陸性能には苦労した. しかし、Wスロッテッドフラップを生かして、まあ、乗って みて.文句ないと思いますよ.

主脚には「Y」型の補強がはいったもので、荒々しい 着艦にも耐えられる(主脚カバーのデザインみてね) また車輪間隔も広く、尾輪も胴体最後部に装着して いるので、滑走安定性は最高によい.
画像ではみえないが、尾輪前に、フックもきちんと 収納されている.

大きな欠点は、シーラカンスを連想させる スタイリングであろう.パイロットというものは 保守的なものだ.第一印象のルックスが悪いと あとあとまで尾を引くことは百も承知. だから「問題作」なのである.