本艦は1922年3月に本格的に設計に着手した。
当時英国では条約型巡洋艦の姿を模索中であり、条約制限一杯の10000トン8インチ砲装備で長大な航続力をもつという基本方針しか決められていなかった。
今回のイブクーロ王国の発注は列国すべてになされており、この参加に当たっては国威をかけた設計をするよう厳命されていた。
以下に英国海軍艦政本部が建造案をまとめる経緯をしるす。
まず最初に設計者たちが考えた案は、1915年計画で建造中の軽巡洋艦CAVENDISH級の改良案である。
同級はもともとドイツ通商破壊艦を撃破するために計画された艦級で、大口径砲と長大な航続力が求められた。常備排水量9750トンで19.1cm45口径Mk.W単装砲7基を装備、石油石炭混焼方式を採用し、燃料不足にも対処可能な設計であった。典型的な通商保護を目的とした巡洋艦である。
CAVENDISH級の後期生産型は重油専焼にされており、この後期型に大戦後英国海軍巡洋艦の標準とされた海軍省型3胴缶とパーソンズ・ギアード・タービンを装備する事にした。
植民地との通商路をもたないイブクーロ海軍に英国海軍巡洋艦のような長大な航続力は必要ないが、イブクーロ王国の絶海の孤島という立地から、必要な航続距離を求めそれに応じた燃料搭載量を設定する事とした。
ちなみにイブクーロ王国は南緯0度西経。に位置し南米大陸から約2200浬、ハワイ諸島から約2700浬、もっとも近い仏領ポリネシアから1600浬の絶海の孤島である。
英設計陣はパナマ運河まで行って来れる航続力を与える事とした。片道2500浬に英海軍の経験上の余裕分を搭載することし、航続力は巡航速度で6500浬とした。
太平洋の波濤を考慮し、舷側は高くまたシアーを設けるなどして凌波性を考慮し、艦首形状もアールをもたせ球状艦首を採用した。
武装については意見が分かれた。
理由は、当時欧州でもてはやされた多連装砲塔の実験を行うべきか否かであった。
もともと英国は輸出用の艦艇で実験的新機軸を盛り込むことがあった。そこで今回、8インチ4連装砲塔2基を艦首方に背負い式で配置してはどうかという意見が出たので検討をしてみることにした。
しかし、計算によると、8インチ4連装砲塔の直径は9m強に達し、転覆せずに射撃を行うには艦幅を27m以上にせねば成らず、速力と航続力の低下しない程度に水の抵抗を減らすためには全長が240m以上になる。計算からすると、3万2千トンに達する戦艦並の艦体を必要とすることが判明したため、却下された。どうしても条約の枠内に納めるためには全長を70m強で押さえる必要がある。そんな無様な艦を英国海軍が提供するわけには行かない。
次に持ち上がったのは重雷装巡洋艦案である。多数の魚雷発射管を舷側及び水中に備え、敵大型艦にたいして致命傷を与えようというモノであった。
しかし、この案は提出した本人こそ世界最高の頭脳によって導き出された天才のアイデアと思っていたが、当時の設計技師陣にはそれは駆逐艦の役目あって、仮に採用するとしてもそれは英米のように数セットの艦隊を持ち、巡洋艦を失ってもすぐに補える国でない限り無謀で取りえない選択であると不評で、却下された。
その次にでた案は6インチ3連装砲塔を6基備えようという案だった。
提案者がいうには「日本海軍が小艦艇をもって清国の定遠・鎮遠を破りしめたのは、小口径速射砲を多数備えておりかつ高速であったためである。その戦訓を生かし、巡洋艦を最大の装備艦とするイブクーロ海軍には、小口径で発射速度の高い主砲を多数装備するべきである。」という。しかし、他のすべての技術者からは、「決戦距離が5000m程度の海戦と現在の海戦を比較することはできない。戦訓でいうならば、フォークランド沖海戦かユトランド沖海戦を戦訓とすべきであり、敵よりも少しでも大口径砲を装備し、先に打撃を与え、高速を利して常に有利な位置をもって敵に当たる艦こそが有用である。」と反論され、沈黙した。
そこで、8インチ連装砲塔を前後に2基ずつ背負い式に配置するオーソドックスな形が選ばれた。本来は重防御も必要であるが、排水量制限があるため防御を後回しにせざるを得なかった。基本コンセプトが決まったところで上層部に提出した設計案を見たある取締役が、「こりゃポケット巡洋戦艦だ」ともらしたという。
●基準排水量 9,850t
●全長 195m
●全幅 19.8m
●喫水 4.95m
●主缶 海軍省型3胴水管缶 10
●主機/軸数 パーソンズ式パーソンズ・ギアード・タービン/4軸
●機関出力 100,000馬力
●速力(公称)35.4kt
●航続力 7,550浬/14kt
●乗員 700名
●武装
8inch50口径Mk[連装砲4基
4inch45口径MkX単装高角砲4基
2pond単装砲4基
2pond単装ポンポン砲4基
53.3cm4連装魚雷発射管2基
●水偵 1機
●装甲 舷側38〜78mm 甲板25〜38mm 弾火薬庫64〜120mm
作者の渡部@猫乃手本舗です。
出さないと言いながら出してしまいました。
参考出品と言うつもりですのでご勘弁を。
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