第23回競争試作:艦船 日本陸軍・上陸兵団向け船舶整備


要求諸元
昭和14年4月 日本陸軍参謀本部打診

艦種:
 上陸兵団向け船舶整備
要求事項:
 ・上陸第一波を速やかに揚陸できる能力(隻数)
 ・上陸第一波は、一個捜索連隊基幹とする
 ・敵勢力圏下の行動を意識し、夜間の完全上陸(約4時間)が可能であること
基準排水量:
 特に定めず
速度性能:
 12ノットの主力船団に追求可能なこと
航続性能:
 台湾〜リンガエン湾間、なしえれば門司〜マニラ間を往復可能なこと
搭載兵装:
 特に定めず
補足事項:
1)主力船団と同行する場合、船団速力12ノットを確保すること。砲火力に関しては海軍の護衛下にて行動するため特に要求せず。
 主力船団と同一行動をとらざる場合にはこの限りにはあらず。ただし、独航を考慮し適度な自衛火力を有する事。
(なお火砲は陸軍部隊で運用する)

2)先遣支隊は、師団捜索連隊へ戦車・歩兵・砲兵を増加配備し編成する。また、5総トン/人の船腹量確保を基準とする。

おまけの参考:
台湾〜比島での荒天下の航行に耐えうる最低基準船とし、建造中の地領丸を例示する《宗谷》

制式採用

第二極洋丸 作:天翔 氏


受賞の言葉
天翔です。拙作を正式採用して頂き、誠に有難うございます。

 思い返せば、某黒いチャットで某黒い人に「捕鯨母船で投稿してみようかな」と漏らしたのが昨年末。締め切りが延びなければ、まず確実に間に合いませんでした。加えるに新年早々2回ほど風邪引いて寝込んでまして、スリップウェイからの大発発進ギミックや、搭載物件の内容が今ひとつ詰められなかったのが心残りです。

 正式採用して頂いておいて何ですが、イロモノ全開投稿のつもりでした(>「第七の母船」)。数は揃わんわ、貴重な油槽船の転用だわ、浅海での行動は制約されるわ。。。スリップウェイから大発って正気の沙汰かと小一時間(笑
 神州丸−陸軍特殊船の流れを受け継ぐ正統派の投稿が多いだろう、と予想しつつ蓋を開けてびっくり、仕込んでおいたネタほぼすべてが被っていたというなんともはやな展開に。捕鯨母船3隻が3社別々でかろうじて面目を保った気分です(何のだ)。

 「夜間の完全上陸(約4時間)」を達成する為各種泛水装備を盛り込んでみましたが、基本的には陸軍特殊船と同じで魔改造はしてません。その辺りが堅実さと判断されて正式採用に至ったかと思う次第です。もっとも、上甲板の走行式クレーンはまともに稼動してくれるかどうか、ちょっぴり不安ですが。

 なお、「経緯」の-***-より上は私が調べた限りにおいて事実です。小石隠すにゃ砂利の中。何か1つ間違えていれば、もう1隻くらい捕鯨母船が誕生していたのではないかなぁ、と捕鯨力に溢れた妄想の日々を送る今日この頃です。




人気第一位


陸軍強襲揚陸輸送艦 作:5万ドルの猫 氏


受賞の言葉
当案にご投票いただきました皆様方に厚く御礼申し上げます。
お陰様で、初投稿にして人気投票一位という誉にあずかることができました。


本案はごらんのとおり、かなり架空戦記的な艦であることは、作者としても十
分認識している次第です。なにしろ、満載排水量があの帝国海軍の象徴とも言
える大和の基準排水量を上回っているのですから、本来なら海軍からの圧力や
らなにやらで作られるはずも無い代物です。第一そんな資材、何処から持って
くるのやら……。

そこで、この艦が出来上がるまでの経緯を少々書きたいと思います。


最初は、神州丸の拡大改良型で行こうと考えていたんです。
堅実なところではそうでしょう。

しかし、いろいろと実際の陸軍特殊船舶について調べていくと、どうもそれで
は陸軍の望むべきモノではないのではないという事にいきついたのです。
そう考えた発端はあきつ丸の存在でした。ご存知のようにあきつ丸は陸軍の半
端な空母という評価を受けている船です。
良く調べれば、神州丸の頃から陸軍は上陸作戦艦に航空機運用能力を付与すべ
く実験的なことを行っていたふしがあります。ただ、運用経験が無いことが災
いして実験の域を出ないうちに終わってしまったように思われるのです。

何故、陸軍は其処まで上陸用舟艇母艦に航空機運用能力の付与に固執したので
しょうか?
また、海軍の庇護の下の運用を前提としているなら、おかしなことが陸軍の特
殊船にはあるのです。

まあ、対空砲の装備は別段不思議ではありませんが、何故爆雷装備があるので
しょう?
それは潜水艦との戦闘を想定していることを意味します。
輸送船が潜水艦との戦闘を行う? ちょっと考えられません。特に、駆逐艦の
護衛を受けているのなら尚更です。駆逐艦は船団と潜水艦の間に割って入り、
速やかに敵潜の排除にかかり、船団はその間に出来うる限り現場よりの離脱を
図ることになるのです。爆雷を装備していても、使う場面など早々起こりえな
いのです。
それでも装備していたと言うことは、護衛が当てに出来ない。護衛など当てに
していないと言うことを如実に物語っているのではないでしょうか。

それらの事実を踏まえると、陸軍は海軍の護衛を必要としない、渡洋作戦部隊
を持とうとしていたのではないかということに思い至ったのです。そしてその
場合船団に航空兵力が随伴する事は極めて魅力的であったことでしょう。

そう考えた結果、最初は、護衛空母兼上陸用舟艇母艦と既存船団(摩耶山丸ク
ラス)の混合造船計画(実際の陸軍もそう考えていたのではないか?)だったん
ですが、上陸作戦に必要兵力を輸送しうる数の船団が護衛もつけず(上記の理
由で無いものと推定)ぞろぞろ行くのは良い目標だなぁ……と考えたのでした
。さらには作戦の秘匿性も低くなります。

露見するのを低くするためには、まず船団の隻数を減らすことが第一です。
海上にあってもそれは同じですから、発見されないためには単艦が望ましいと
考えました。
当然そうなると、発見され戦闘になった場合の生存率が高くなければなりませ
ん。殆ど不沈艦のレベルが要求されるわけです。勿論そんなのは不可能です。

とは言うものの、輸送船相手に敵も戦隊を繰り出してくることはまず有りませ
ん。
やはり、輸送艦の天敵は潜水艦です。それは、実際の撃沈理由が如実に物語っ
ています。そして二番目は航空機でしょう。
結果として、大和クラスの水線下防御を施し、直援機と対潜水艦戦闘のできる
航空機の運用ができればサバイバビリティは十分だろうと考えました。

勿論、全ての渡洋部隊をこの艦で輸送するつもりは無く、それ程の隻数を整備
する事は考えていません。最初の尖兵としての強襲揚陸作戦艦であり、突然上
陸地点に姿をあらわし、船砲隊の支援砲撃のもと一個連隊が上陸を成し遂げ橋
頭堡を確保した後は、物資の輸送に使われ、通常の陸軍特殊船舶船団の旗艦と
して持てる航空兵力をして護衛に当ることをその運用方法とするものです。

計画当時にこのような船は跡形も無く、あの神州丸でさえ画期的な存在だった
のですから、当時に参考になる船など存在するはずもありません。
ですから、範は現代の船にとりました。
ネタをばらせば、自動車運搬船とフランスの強襲揚陸艦ミストラルですね。
それにしても、自動車運搬船は同じ寸法でも内部の機構の所為か排水量が大分
違うのでどれを基準とするか大分迷いました。まあ、今と違い当時は材質が鉄
ですから一番重いものを採用しようということであの数字になった次第。

さて、実は応募締め切りの後から、巷の雑誌では強襲揚陸艦関係の記事が多数
見られ、もう少し早ければ……と悔やんだデータがありました。
そんなわけで、今見直すと、やたら荒が目立ちます。
ウェルデッキにしても、もう少し短くして、第一層に舟艇ラックを設けて舟艇
の搭載量をできれば二倍にしたいなぁ……などと思ったり、このサイズでこの
重量で貨物積載数がこれだけかよ!……と我ながら突っ込みを入れたくなった
り……

あと、急いだために、文章が少々おかしかったり誤字脱字が有ったのはご容赦
の程を……

最後に、これからもチャンスがあれば参加させていただきたいと思っておりま
すので、今後ともよろしくお願いします。   



捕ゲイ母船です
神戸川崎造船所案"第三日新丸型" 作:ゐ 氏



川南工業株式会社 改K型舟艇母艦 作:くらうど 氏



第四圖南丸 作:日奉弾正 氏



第壹関釜丸 作:日奉弾正 氏



鉄道省高速列車輸送船改案・揚陸艦「三笠丸」 作:ろしあ革命 氏