大英帝国競速機 グレート・ブリテン・ワン

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「これは大英帝国の威信をかけた飛行機である。そのためにも素材は厳選された最高級のものであらねばならなかった!
 まずは設計者である。もちろん、戦前のシュナイダーレースで我が国に永久にトロフィーをもたらしてくれたレジナルド・ミッチェルに依頼したいのは山々である。しかしながら、すでに故人となった者のことを今さら言っても仕方がない。幸いにして、我が大英帝国には彼に匹敵する名設計者シドニー・カムがいるのだ。見てみるがいい。彼は期待通りにやってくれたではないか!
 次にエンジンである。これについては全く悩む必要がなかった。むしろ、我が大英帝国の素晴らしく豊富な高性能エンジンを前にして、どれを選ぶかを悩んだぐらいである。しかし、この機体の性格を考えればその悩みもすぐに解消された。なにしろ、何よりも高速であることが大事であるわけだから、前面面積が小さいものが良いに決まっている。そうなると当然、液冷V型が最も適しているということになるわけである。そう、液冷V型といえば我が大英帝国が世界に誇るメーカー、ロールス・ロイスである。彼らはマーリンとともにグリフォンという実に素晴らしいエンジンを作ってくれた。しかも、今回のレースに用に最高のチューンアップを施してくれたのだ!機体に隠れてはいるものの、この中に1基当たり最大出力2800馬力という途方もない出力のエンジンが収まっているのだ!
 さて、いかに前面面積の小さいグリフォンを採用したとはいえ、それで満足しては大英帝国の威信は示せない。機体もそれに合わせて小型化せねばならないのだ!そこはちゃんとシドニー卿もわかっておった。この素晴らしく前面面積の小さな機体を見るがいい!しかも、彼はこの機体だけに満足せず、さらにエンジンを前後に2基連結して双発に仕立て上げてくれたのだ!そう、前面面積は増やさずに、倍のエンジン出力を獲得することに成功したのである!合計実に5600馬力のエンジンである。しかも、ラジエータは、主翼上下面の表面冷却と併用した結果、エンジン間に収まる程度のコンパクトさで済んでいるのである。オイルも燃料による熱交換器で冷却をし、まったく抵抗となっていないのだ。この機体が遅かろうはずがないではないか、そう思わんかね諸君!
 このエンジンに機体の前部から中央部までを占領されて、コクピットは随分と後ろの方になったのがご覧頂けるだろうか。しかも、各エンジンの上部には、これまたロールス・ロイスの諸兄が特別に仕立て上げた低空用過給器のインテークが張り出しておる。当然前方の視界は悪いだろう。しかし、案ずることはない。このレースを戦うためには高くそびえ立つパイロン上部が見えれば良いのだ!考えても見るがいい。かのリンドバーグは、あの広大な大西洋を全く前の見えない機体で見事に横断したではないか!用途が満たされていれば視界など気にすることはないのだ!
 このスリムな胴体に、エンジンとコクピットの他に補助ラジエータや燃料タンクの一部も納めた優れたレイアウトは、胴体部の浮力の不足をもたらしたかもしれない。しかし、これも案ずることはない。翼端フロートを大型化して対処してある。なに、大型化といっても主に前後に延ばしただけだ。さして抵抗の増加にはなっていない。なんと見事な機体デザインであろうか!私はここでシドニー卿に拍手を送らずにはいられない!

 諸君!すでに1947年のシュナイダートロフィーは我が大英帝国の手中に収まったも同然であろう!さあ、この機体を盛大な拍手を持って送りだしてやろうではないか!・・・」

    〜ウィンストン・チャーチル卿
          1947年7月 GB1の初飛行直前に行われた演説より〜


全幅: 9.75m
全長:10.24m
全高: 4.31m
全備重量:4,150kg
エンジン:ロールスロイス・グリフォン101-RS × 2
プロペラ:ジャブロ・ロートル4翅 直径3.2m × 2





胃袋3分の1からのコメント:
 ああ、疲れたε- (^、^; はぁ〜〜。架空機の三面図って疲れるんですね(笑)。おまけに、延長軸フェチぶりがバリバリでてるし(^^;;;;;。
 なんか、今まで描いた絵の中で一番時間がかかっちゃいました。それも格段に。なんせ、ピクセル単位の位置を正確に計って合わせていきましたからねぇ(今までアバウトだったのがバレバレ)。実機の改造なら基にする図面があるんで、そこまでしなくっていいんですが、全くの架空機で参考にするモンがなんもなかったのでこのていたらくです。しかも、側面図がほぼ出来上がった時点で、ゲルググさんの“アドリア海の花束”号の投稿をいただきまして、そのかっちょよさにショックを覚えデザインの手直しをしてたので、よけいに時間がかかっちゃいました。
 ああ、でもこれで私もやっとシュナイダー1947に参加できてうれしい限りです(^o^)。
 ところで、実はこれ、3部作の1作目だったりします。つまり、この後に、さらに2機描く予定になってるってことで・・・(;-_-) =3 フゥ。