謎の駅員

ここに登場する人たちは実在します。


 ある日、仲居正宏氏(仮名)が朝のラッシュ時に乗り換え電車の来る ホームに並んで電車を待っていました。この駅には名物の若い駅員が いました。その駅員は毎朝、必要以上に熱心に乗客の整理をしていま した。今日も、ただでさえ大きな声を拡声器を通してさらに張り上げ ていました。

「はい!2番線、電車が入ってきますよぉ!白線の内側まで下がってくださぁ〜い!」
「はぁ〜い、降りる人がさきですからねぇ〜」
「押さないで!押さないで!危険ですよ〜!」

などなど。最初のうちはうるさいなあと思っていた仲居正宏氏(仮名) も最近ではすっかり慣れて、今はその声も単なる雑音の一部でしかな くなっていました。ところがその日は、たまたま前に並んでいた二人 連れの若いサラリーマンの会話でその駅員の存在を思い出しました。 一人がその駅員を指して「おい、あの駅員、高校のときに一緒だった アイツじゃねぇか?」と言いました。するともう一人が「えっ?アイ ツって誰のことだよ?」と答えます。さらに「ほら、絶対アイツだよ アイツ!」と一人目が言います。二人目のサラリーマンはまるで見覚 えがないらしく「え〜、誰だっけぇ〜?」と答えます。そこで一人目 のサラリーマンはこう言いました。「えっと、名前なんつったけか なぁ・・・。ほら、アイツだよ!
よく頭にコンパス刺さってたヤツ!
それを聞いて二人目のサラリーマンは「あ〜あ、アイツかぁ〜」と すっかり納得した様子です。その会話を聞いていた仲居正宏氏(仮名) は、まったくわけがわからず、その駅員をただ宇宙人を見る目つきで 見るしかなかったとさ!