ホームの親子

これは本当にあったお話です。

 ある日、草薙剛氏(仮名)が駅のホームのベンチに座って電車を を待っていると、反対側のホームのベンチに座って本を読んでいる お母さんと、その前に立ち、何かをやってる男の子を見つけました。
 その男の子は、どうもボクシングのマネをしてお母さんのお腹 にボテイーブローをお見舞いしているようでした。口で「シュッ シュッ」といいながら「ボスッ」という音とともにお母さんのお 腹をたたきます。そのたびにお母さんは「痛いからやめなさい!」 といいますが、男の子はその言葉を無視するかのように何度も続 けます。「シュッシュッ、ボスッ」「痛いからやめなさい!」、 「シュッシュッ、ボスッ」「痛いからやめなさい!」、その繰り 返しです。それが何回か繰り返されたあと、ついに、たまりかね たお母さんの右腕が一閃、見事な右ストレートを放つと男の子の みぞおちにめりこませました!男の子はたまらず、「ううっ・・・」 と、うめいてお腹を押さえしゃがみ込んでしまいました。その男 の子の様子を上から優しい視線で見つめるお母さんは、諭すように、
「ねっ、痛いでしょ?」
と言いました。
 そこへ、その親子連れが待っている電車が入ってきました。する とお母さんは何事もなかったかのように、読んでいた本をバッグ にしまうとしゃがみ込んだままの男の子の手をつかみ引きずるよ うに電車に乗るとそのまま行ってしまいましたとさ!