作戦要務令

第三部


第3篇 衛生

第1章 人衛生

第3節 行軍間の勤務
  1. 第207
    軍医は、行軍に方りては行軍病の予防及び其の救急処置に遺憾なきを期すると共に、行軍間の給養に関し状況に適応する如く関係責任者と密に連繋し、又、検水を厳にし、給水源、給水量等に関し所要の意見を具申するを要す
  2. 第208
    師団長は、師団の前進に方り、防疫給水部をして機を失せず要点に躍進せしめ、迅速に諸般の給水準備に任ぜしむるを要す。此の際、防疫給水部を各縦隊に分属するや否やは状況、特に給水源の有無、交通の難易等を考慮し、之を定むるを要す
  3. 第209
    行軍間発生したる患者は、勉めて之を伴い行くべし。若し、最寄衛生機関に送致したる場合に於いては、関係軍医部若しくは最寄兵站地の長に通報するものとす
    師団長は行軍間患者収容の為、隷下衛生機関或は隊附衛生部員其の他を以って患者収容班を編成し、状況に依り患者車、患者自動車等を各部隊に配属す。又、状況之を許せば、予め行軍路上の要点に患者収容所を設置するを可とす