作戦要務令

第四部

特種陣地の攻撃

第２章　特火点攻撃隊の肉薄攻撃

第２節　攻撃準備
  1. 第４１
    特火点攻撃隊に任務を与うるに方りては、攻撃すべき特火点、出発時機、行動地域、攻撃手段、目的達成後の行動等を明示すると共に、主力及び特火点攻撃隊に協同すべき部隊の行動を知らしめ、以って特火点攻撃隊と関係部隊との事前の協定を的確ならしむること緊要なり
  2. 第４２
    特火点攻撃隊長は、状況の許す限り攻撃の予習を行い、各兵に至る迄其の要領を徹底せしむると共に、決死以って主力の犠牲となるの覚悟と、必ず特火点を撲滅するの信念とを堅持せしむるを要す
  3. 第４３
    特火点攻撃隊長は班長及び組長たるべき者を随え、予め、攻撃すべき特火点、前進路、死角等を捜索し、攻撃準備の的確を期すべし。捜索に方りては慎重に行動し、敵の注意を喚起せざるを要す
  4. 第４４
    特火点攻撃隊長は攻撃実施の為、左の事項中必要の件を計画し、機を失せず準備を整うるものとす。此の際、特に実行の確実ならしむるの着意必要なり
    • 攻撃の要領、ならびに各班の編組及び任務
    • 攻撃準備
      • 資材の配当
      • 攻撃発起の位置（特火点の所在に依り異なるも、概ね第一線歩兵の突撃準備の位置付近に選定するを通常とす）
      • 各班の配置、所要の工事等
    • 攻撃実施
      • 出発時機（歩、砲兵の支援射撃との関係を明かにす）
      • 前進の方法
      • 各班（組）の行動及び相互の協同
      • 目的達成後の行動
      • 関係部隊との協同、此等部隊との連絡法等