ヴォートF4U コルセア

ヴォートF4U コルセア 1942

本機はその開発の過程において、同時期に採用されたF6Fとは対象的であった。 すなわちF6Fが開戦後 急場しのぎで間に合わせた艦戦とすれば、F4Uは戦前から 当時の最新技術をとりいれて、じっくり設計された機体でした。

P&W社の18気筒2000馬力級エンジンを採用し、効率を高めるため当時としては最大の 4.06mという大直径プロペラを装備し、それにともなって主脚の長さを抑えるための 逆ガル式と、重量軽減の為の羽布張り構造の主翼を用いるという 常識を越えた 革新的な機体でした。

確かに速度性能はすばらしく1940年に初飛行した際に、当時のアメリカの機体として 初めて650km/hを記録し 「米国最速の戦闘機」と呼ばれました。 反面 逆ガル翼の失速性の悪さ、大直径ペラの逆トルクによる操縦性の悪さ、後方視界 の悪さなどで空母用艦戦としては不適とされ、当初は海兵隊に回され陸上基地で 使用されていました。

1944年から空母での本格的な運用が始まると、持ち前の高性能を発揮しはじめ 大戦末期にはF6Fに代わって主力艦戦の座につきました。 そのF6Fが終戦と同時に退役したのに対し、F4Uは依然運用され続け朝鮮戦争でも 対地支援等に大活躍し、供与機を含め12、571機が生産されました。



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