海軍機の「改」についての考察


「私製」 「試製」 「改」についての考察です。
これは海軍独特独自の呼称だろうと思われます。
  「改」の命名基準としては、
機体名称の後に、原型に改良を加えた型には「改」の一字を附加し、また機体、
発動機の改良を示す呼び方XX型(一位は発動機、十位は機体)を別に加えた。
 という資料がありますが、いかがでしょうか?

例えば 陸軍機でみると液冷「飛燕」の空冷換装型を「五式戦」と区別しています。
同様に「改」については、液冷から空冷へとか、機体の大幅な改造に限って使用
されたのではないか? と思われます。
「改」については紫電改が有名ですが、知名度の違いがあるだけじゃないですか?

また「私製」と「試製」に関しては、著者の判断基準が不明ですので不詳です。
そこで関連事項を私の手持ちの資料から抜粋します。(重複しますが御勘弁ヲ)

 艦上爆撃機「彗星」  空廠  D4Y1 11型  熱田12型(1200hp)
              D4Y2 12型  熱田32型(1400hp)
 私製「彗星改」      D4Y3 33型 金星62型(1560hp)

 陸上爆撃機「銀河」 空廠   P1Y1   11型 誉12型(1825hp)
                P1Y2   16型 火星25型甲(1850hp)
               P1Y1-S 21型 11型を夜間戦闘機(丙戦)に改造。
 私製夜間戦闘機「極光」 川西 P1Y2-S      後上方席に20mm連装銃座
 私製?「銀河改」       計画        11型のハー43換装型、機体一部を鋼製化

 艦上攻撃機「流星」 愛知  B7A1  16試艦攻「流星」 誉11型(1440hp)
                         B7A2 試製「流星改」  重量過大のB7A1を全面再設計

 局地戦闘機「紫電」   川西 N1K1-J    11型 誉21型(1990hp)
           「紫電改」 川西 N1K2-J 紫電21型 中翼から低翼に改造

 艦上偵察機「彩雲」  中島  C6N1  17試艦偵   誉22型 VDM4枚プロペラ 
 私製「彩雲」              C6N1  増加試作型 動力関係の改修、改造
                        C6N1  彩雲11型  量産型 ハミルトン定速3枚プロペラ
 私製「彩雲改」           C6N2       誉24ル型(1780hp) 高高度型
                        C6N3 彩雲改12型 計画 誉24型 夜戦型


なお 同盟国のドイツとイタリアにも、換装例があるので紹介します。
ただし日本とは逆で、空冷から性能アップを狙って液冷に換装しました。

フォッケウルフ Fw-190 Aシリーズ  BMW 801D2(空冷)から
    Fw-190 D       JUMO 213 (液冷)へ
マッキ MC-200 サエッタ(雷電)    ???(水冷)から
    MC-202 フォルゴーレ(電光) アルファロメオ RA1000RC41(液冷)へ




E-Mail