リパブリック Pー47 サンダーボルト

リパブリック Pー47 サンダーボルト 1941

戦時中アメリカで生産された戦闘機のなかで、P-51を抑え最多量産記録(15,660機)を もつ、第二次世界大戦の全戦域に参加した陸軍の代表的な戦闘機でした。 こういえば 優秀であったように思われるが、実状は少しばかり異なります。

同社独自のズングリ胴体、翼面積30平方m近く、重量約5.6tという巨大なボディに、 大直径の2000馬力級エンジンと排気タービン加給機を装備した本機は、運動性能を無視 して高々度飛行と速度性能のみを追求した陸軍独特の思想で造られた機体です。

その高速性は、高度8000mで時速690km/hと抜群な数値で、巨大な増槽による行動 半径の増大は遠距離戦略作戦に使用され、後期型は実に1t近くの爆弾搭載能力を 持っていました。
反面 戦闘機の重要な機能のうちの制空能力は皆無に近く、高度の優位を頼んだ 一撃離脱戦法しか行えず、最重点生産による圧倒的な量こそが本機のよりどころ であった といえるでしょう。



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