ノースロップP-61 ブラックウィドウ

ノースロップP-61 ブラックウィドウ 1944

他機種からの転用でなく、レーダーを装備した夜間戦闘機専用として開発された。双発を双胴式にし、さらに中央に乗員キャブンをナセル式に付加した3胴式とし、またフラップを極度に優遇し、補助翼面積を極小に圧縮して、横の操縦は当時実用機にはほとんど用いられていなかったスポイラーが主用されていました。

この爆撃機に匹敵する大型機は、米国ならではのデラックスな戦闘機といえますが、このような斬新さ(というか異形ぶり)のみを狙ったようなレイアウトは、夜間戦闘機の本質とは何の関わりもなく、いたずらに奇妙な機体を生んだばかりでなく、また本機の実用上の欠陥となった点が少なくない。

一時期、本機は搭乗員から「殺人鬼」と異名をつけられるほど嫌がられたが、なれない夜間ミッションとスポイラー操縦が その理由だったと思われる。また武装は腹部の膨らみに20mm機関砲x4、胴体上面に12.7mm機銃x4を装備した重武装であったが、後部旋回機銃の振動問題は深刻で、生産の途中から廃止されてしまいました。

しかし進歩したレーダー技術と装備に助けられ、それ相応に真価は実証されましたが実戦配備されたのが1944年と遅く、日本、ドイツともに航空戦力は相当弱体化していて、特に夜間行動における本機の活躍の場はありませんでいた。



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