PART1 無尾翼機編


無尾翼機とは文字どおり尾翼を持たない主翼と胴体だけの型式であるが、縦安定
をつかさどる垂直尾翼は許されるし、広い意味では全翼機迄含まれるでしょう。
その特徴は、有害な空気抵抗を大きく減少することができ、航続力や搭載力にも
大変有利であることです。

ドイツのホルテンやリピッシュ、アメリカのノースロップらが執念を燃やして開発を繰り返したが、
ほとんどが試作に終わり、量産されたのは後述のMe163だけでした。
その原因は、安定性と操縦性にやや難があったことで、これが解決したのは戦後
しばらくたってからのことで、「見えない爆撃機」B2につながっていきます。

  メッサーシュミット Me163 コメート  1944
世界で初めて実用化された ロケット推進の無尾翼型式の小型戦闘機で、1941年に
試作一号機がロケットを用いた初の自力飛行に成功した。
また胴体につけられた主翼が三角形をしてうるので、デルタ翼機ともいえます。

試験中に1000km/hを越す速度を記録し、その高速性能は群を抜いていましたが、
実際には航続飛行時間は8分にも満たず、また本機を配備した基地も2箇所のみで
結局連合軍側が、この基地の付近を飛行しないという方針を取ってからは、殆ど
戦果を収めていません。

 メッサーシュミット Me263  
Me163Bの改良型Me163C(補助燃焼管を付け滞空時間を12分とし、終戦時3機完成)を
さらに改造したD型も開発されたが、リピッシュ、メッサーシュミット両博士の仲たがいから
名称がMe263になったり、Ju248になったりして混乱しています。
胴体がMe163より大幅に改造されてスマートになり、航続時間も15分に延長された機体
でしたが、結局試作のみに終わりました。





E-Mail