PART17 夜間戦闘機編



夜間戦闘機そのものは第一次大戦当時から存在しています。
しかし夜間に敵を捜すには、地上で聴音機を使うかサーチライトによって照らし出して
捉えた目標を、戦闘機が迎撃する というものでした。

その専用機として大戦末期に登場したのが、ハインケル  He219でした。
本機の最初のコンセプトは多用途機でしが、戦争が進みイギリス空軍による夜間爆撃が
増えてくると、本機を夜間戦闘機として採用することになり再設計されました。

夜間において発射炎が大きいと、パイロットの視界が一瞬無くなる問題があるので、
6門すべての砲口が主翼付け根と胴体下面に配置された。
また排気管からの高熱ガスが暗闇で光って、自機の存在をしらせるのを防ぐために
消炎排気管を装備していたが、レーダーと共にかなり空気抵抗が増えたようです。
また実戦配備機としては初の射出座席(空気圧縮式)、「シュレーゲ・ムジーク」と呼ばれた
MK108(口径30mm)斜め銃、リヒテンシュタインC-1レーダー等の装備がありました。

視界確保のため胴体から突出したキャノピに、背中合わせに座る2人様式だったが、
これは専用の索敵員を含め3人乗り という現場の意見を無視したものだった。
その飛行性能や戦闘能力は高く評価されていたが、航空省の無理解によって生産
の中止を勧告されながらも、同社が隠密に開発をすすめ1944年にようやく正式に
量産が開始されたが、268機が完成しただけにとどまります。




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