PART20 双子機編


同じ機体をふたつ横にくっつけて作られた機体を双子機といいます。
エンジンをふたつ縦とか横に装備するのと まったく同じ発想で、てっとり早く出力
や航続距離を得るために、既存の機体を利用し新たな開発の手間を省きました。
そういう経緯の機体が、ドイツと米国でそれぞれ完成しています。

 ハインケル He111Z ツビリンク
双発のHe111H-6を連結し さらにエンジンを中央部に1基追加し計5基とした機体で、
当時世界最大の輸送グライダー Me321 ギガントの曳航用に製作された。
東部戦線で使用されたがMe321を曳航する作戦は計画のみに終わり、2機のGo242を
曳航し空挺部隊を輸送する任務につきました。

実際の飛行時には左側の胴体に通常の搭乗員が乗り操縦されたが、総員は7名と
なっており 右側の銃手分と思われる。
計画では長距離爆撃機型のZ-2、長距離偵察機型のZ-3があった。
全長16.69m、全幅35.4m、最大速度435km/h、航続距離2000km

 ロッキード P-82 ツインムスタング
爆撃機の密集編隊の防御砲火だけで、ドイツの迎撃機を撃退できると思っていた
米陸軍航空隊が実戦での教訓から発案した、長距離護衛機がP-51でした。
ところがB-29の登場により さらに長距離行動が可能な機体が必要となり、開発
されたのが 軽量試作型のP-51Fを連結した本機です。

その課程で 全長が延長され またカウリングも変更され、P-51とはまったく別の
機体となった。試作のXP-82は1944年に初飛行したが、量産型は第二次大戦には
間に合わず、戦後にレーダー等を搭載して全天候型戦闘機として使用されました。
全長11.91m、全幅15.62m、最大速度748km/h、航続距離4030km





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