幻の試作機シリーズ

この物語はJU87氏がBBS-Qにおいて発表したものの転載です



特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
さてさて 今回から「幻の試作機シリーズ」の開幕です。
まずは旧日本軍機から抜粋していく所存であります。
またアトランダムに紹介してもきりがないので、有る程度テーマを絞ってみました。
幻の〜 という事で未完成の機体や、構想のみに終わった機体も含んでいます。
尚このシリーズは、モデルアート社発行 日本航空機辞典 上巻を参照しました。

以下 予告編です。
PART1  特殊型式編 機体形状の特殊な機体
PART2 大砲装備編 一発必中の大口径砲装備機
PART3 大型機編  実用化できなかった4、6発機
PART4 専門機編  新しい分野で開発された機体
PART5  高速機編  高速飛行を追求した機体
PART6 長距離機編 長距離飛行を追求した機体
PART7 高度飛行編 高々度飛行を追求した機体
PART8 代用機編  物資欠乏を補う為に代換えした機体
PART9 最新鋭機編 ジェットやロケット推進機

では では お楽しみに・・・

特殊型式編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
PART1は機体の外観が、特異な試作機の紹介です。
従来の型式では性能の限界が見えてきた段階で、試行錯誤された機体です。
残念ながらエンテ型(震電)や、双支持架推進型(閃電他)は、他国を見回しても実用化
されませんでしたが・・・

  キ-94試作高高度戦闘機1型 S17 立川 モックアップ
従来の索引式双発機と発想の異なる、2000馬力x2の重武装重戦闘機。
短い中央胴体の前後に 2000馬力級の発動機を串型に配置し、2本の細いビームで
水平尾翼を支持した串型双発双胴式単座戦闘機で、初の前車輪式を採用した。
審査の結果 発動機の装備法、パイロットの空中脱出法など非実用面が多く
不採用となり、改めて現実的な尾輪式の単発単座型の2型を企画する。
  ハ-211ール(2200hp)x2 780km/h 2.5h  37x2 30x2
 
  キ-98試作戦闘爆撃機 S17 満州飛行機 モックアップ
当初の計画では戦闘爆撃機であったが、途中高高度戦闘機に変更された。
実際は空冷エンジンの特殊装備法や、3車輪式降着装置の研究機的性格であった。
単発単座双胴推進型式の機体で、両主翼下部より細いビームを伸ばし、水平尾翼を
上方で支持し中央胴体の機首に37mm砲 後部に推進式の排気タービン付空冷エンジンを
配置した。海軍機「閃電」のA案とB案の中間型といえる。
S19に開発中止になるも満州飛行機では製作が続行され、完成直前で終戦となる。
  ハ-211-ル(2200hp)  730km/h 1200km 37x1 20x2
  
  17試局地戦闘機「閃電」  三菱J4M1 S17 試作中止
局地戦闘機として大口径機関砲の搭載と、上昇能力を優先するための新形式機。
双支持架推進式という独特の型式に対する、理論的は面は一応解決していたが
延長軸やプロペラ後流による水平尾翼の振動など、問題の解決に時間を要した。
結局次期局戦は指示により「震電」が有望となり、S19の機種削減統一の方針により
開発中止になる。
尚水滴型風防の中翼型A案と、胴体と風防が一体の低翼型B案があった。
  ハ-43ー41(2200hp)   759km/h  1200km  30x1  20x2
  
  18試局地戦闘機「震電」  九飛J7W1 S19 1機

18試局地戦闘機 震電(J7W1)は日本初の先尾翼型で長距離爆撃機(B-29)に対する
迎撃用局地戦闘機です。この型式の特徴は 機体の整形により前面抵抗面積を
減らし、プロペラ効率を向上でき、失速速度や縦の運動性が良い等があります。
S19に試作を開始しましたが、本体構造には問題は無かったものの、誉エンジン
が他機同様不調で実用化に時間を要し、結局2回の試験飛行のみに終わりました。

大砲装備編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編

PART2は大口径砲を装備した試作機です。
従来の軍用機に装備された武装としては、20mm機関砲が最大だったのですが
後に37mm砲搭載機も検討されました。今回はより強力な威力を狙った機体です。

 キ-93試作襲撃機 立川 S20 3機
装甲の厳重な敵の重戦車に対し、充分な破壊力をもつ重火器搭載の低空用襲撃機。
57mm対戦車砲を搭載した双発複座の機体で、強力な発動機に6枚プロペラを装備。
計画では本機を甲型、対艦用爆装仕様を乙型とした。完成後終戦で未飛行だった。
想定された性能は画期的だったが、あまりにも実情を無視した内容であった。
  ハ-214(1970hp)x2   624km/h 2090km 57x1 20x2 12.7x1

  キー102乙試作襲撃機 川崎 S20  215機
キ-96を複座の地上襲撃機に改修した機体で、57mm88式対戦車機関砲ホ・401(携行
弾数は15発)を機首に据え、陸上、海上の敵目標を強力な砲や爆弾で、低空から
攻撃壊滅する任務であった。
1944年に立川上空を飛行中のB-29に対して、当時審査中であった本機が要撃に
離陸し、57mm砲一発でB-29を空中分解させてしまった記録がある。
当時 機名はあまり知られなかったが、戦争後期川崎の最高傑作機といえよう。
軍の制式機名は与えられなかったが、事実上制式機と扱われ 一応戦力となる。
 ハ112ー2(1500hp)x2 580km/h  2000km  57x1  20X2  12.7x1  500kgx1

  キ-109試作特殊防空戦闘機 S19 三菱 22機
当初は哨戒防空型(甲)と夜間探索型(乙)で設計に着手するも、後B-29の防御火砲
の圏外から攻撃を加え、しかも一発で撃墜する大口径砲を搭載した防空戦闘機に
変更された。
運動性の良いキ-67の前部に75mm88式夜戦高射砲を装備したが、排気タービンも装着
していないために高空性能が劣り、実用化はできず結局 完成した22機は、本土
決戦の対艦船攻撃用に温存されてしまった。
  ハ-104(1900hp)x2   559km/h 2200km 75x1 13x1

大型機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
PART3は夢の大型機です。
なによりこの分野では、発動機の開発が遅れていたために実用化が遅れました。
富嶽のような六発機などは、所詮構想のみに終わる運命だったのでは・・・

  13試陸上攻撃機「深山」 中島G5N1-2 S16 6機
航続距離、攻撃力の大きい4発大型陸攻で、S13当時まだ経験の浅かった中島が
ダグラスDC-4の原型1機を製造権ごと購入し、本格設計にはいる。発動機は当時最強
の護11型を予定したが、まにあわず火星12型を装備した(G5N1)。
その後護を搭載した「深山改」(G5N2)になるも、エンジンの出力不足で中止になる。
機体はB-29級に相当する大型機だが、我国の航空技術では実用化できなかった。
 G5N1 深山 2機 火星12(1530hp)x4 392km/h 3528km 7.7x4 20x2 4000kg
  G5N2 深山改 4機 誉11(1870hp)x4    420km/h  4190km

  18試陸上攻撃機「連山」 中島G8N1 S18 4機
敵戦闘機よりも優速で遠方の敵重爆基地を攻撃できる、高性能長距離攻撃機。
排気タービン加給機装備と直径4.1mのVDM式定速4枚プロペラで、高空性能向上を図る。
空力的にも優れた形状をもち、当時の4発重爆の水準を抜いた機体も登場が遅く
その評価は戦後4号機がアメリカに送られて検証され、航空技術の非凡さを証明した。
 誉24ル(1850hp)x4  593km/h  3945(7463)km  20x6  13x4  2000kgx2

  試作超大型爆撃機「富嶽」  中島G10N1  S18 構想のみ
米本土を直接爆撃するZ計画に使用する、6発長距離爆撃機で陸海共同開発。
そのルートは日本本土の基地から太平洋を横断、爆撃後大西洋横断でドイツに着陸。
戦局が急迫し巨人機を量産して、米本土を直撃する大構想は全面中止になる。
 ハ-54(5000hp)x6 VEM定速6ー8枚叉は反転式 全装備重量122000kg
 全長46mx全幅63m  780km/h  19400km  20x4  20000kg

  試作TB長距離爆撃機 川西 S18 計画のみ
「富嶽」の計画が進行中に、海軍が東大航研と協同で設計した6発対米本土爆撃機。
TBは渡洋爆撃の略で、細い胴体に空力特性の優れた主翼を組み合わせた機体。
航続距離は爆弾1.5t搭載で22224kmを予定した。

  キー91試作遠距離爆撃機 川崎 S18 モックアップ
米国本土を爆撃できる巨人爆撃機(全幅48mx全長33m、全備重量58t)陸海共同試作。
高高度飛行用の排気タービンや、与圧気密室を装備。1号機(気密室無し)はS20/6に
2号機(気密室付き)はS21に各完成予定であったが、空襲による被害と大型飛行機
の総合生産力の不足などの問題があり S20に開発中止となる。
 ハ-214ール(2500hp)x4 580km/h 9000km 20x12 4000kg

専門機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編

PART4は旧軍従来の型式になかった新型機です。
しかしいずれも 当局の運用方針が徹底しておらず、その改修に時間を要し
結局は試作のみに終わってしまいました。

  キ-66試作急降下爆撃機  川崎 S17  6機
わが国初の本格的双発急降下爆撃機で、速度制限用のスポイラーを主翼下面に装備。
キ-48を一回り小型にした機体に、最大500kgを収容できる爆弾倉を内蔵した。
審査の結果は良好であったが、急降下爆撃機に対する運用方針が不明確なうえに
生産陣に余裕もなかったので、結局スポイラーはキ-48ー2型に装備され、試作は中止。
 ハ-115(1130hp)x2 535km/h 2000km 12.7x2 7.7x2 300-500kg

 18試夜間戦闘機「電光」  愛知S1A1 S19 試作中終戦
日本初の夜戦専用機として開発された双発複座戦闘機(丙戦)、機首にレーダー装備。
途中から海軍の要求が次々と増えて、結局は「銀河」なみの大型戦闘機になる。
S20完成直前に空襲により、被爆 焼失した。本機は多くの新機軸を採用したため
重量過大となり、本来の目的とはかけはなれた機体になってしまった。
 誉22(1990hp) 590km/h 1600km 20x4 30x2 250kg

 キ-119試作戦闘爆撃機 S19 川崎 モックアップのみ
空襲の被害による双発以上の大型爆撃機の生産を補うための、新型単座爆撃機。
大出力エンジンによる急降下対艦攻撃と、対戦闘機にも対応できうる性能を併せ持つ
新形式の機体であった。
急迫の状況下で開発されたが、充分な搭載量と戦闘能力は高く評価されている。
 ハ-104(2000hp) 580km/h 2000km 20x2 800kg

高速機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
PART5はひたすら高速性能を追求した機体です。
単発としての発動機での限界を見越して、串型配置等の新機構などが試みられ
ましたが いかんせん研究段階で、実用化は困難だったようです。

 キ-64試作高速戦闘機 S15 川崎 1機
700km/h以上の高速と、20mmx4という画期的な武装の重戦闘機。
液冷エンジン(ハー40)を2基操縦席の前後に串型に配置し、同軸の2つのプロペラを相互に
反転させる方法(二重反転式)で、全面面積は単発機と同じで2倍の動力を得る独創
的な構造であった。主翼の断面型はLB層流翼、主翼上面を流れる気流にさらして
冷却液を冷やす蒸気表面冷却法等の、革新的な機構を取り入れた機体である。
技術的な問題が多く、試験飛行中に破損しそのまま開発中止となる。
 ハ-201(2350hp) 690km/h 1000km 20x4

 キ-70試作司令部偵察機 立川 S18  3機
最大速度の650km/h以上をめざした高速司偵であったが、後に要求は航続距離増大
、後方武装の強化とエスカレートしていき、最終的には爆撃機の要素までも加えらる。
層流翼、双垂直尾翼、機首部の偵察席、ファウラーフラップ、回転収納式主脚等の新機構
を取り入れるも、過重と性能不足のために不採用になる。
本機の流線型の機体は日本機のなかでは、最も洗練さたスタイルといわれている。
 ハ-104M(1900hp)x2 674km/h 3000km以上 7.7x1 12.7x1

 キ-78試作高速研究機 川崎 S17 1機
高速飛行の研究用「研三」実験機。DB-601Aをメタノール噴射式に改造し搭載、層流翼、
親子フラップ等を採用し、高度3527mで699.9km/hの未公認日本速度記録を樹立。
本機は計算上850km/h出るはずであったが、発動機の不調や整備の困難さがあり
戦局も研究飛行を続行する余裕もなく、中止となる。日本最速のレシプロエンジン機。
 DB-601A改(1550hp) 699.9km/h 600km

  18試陸上偵察機「景雲」  空廠R2Y1 S19 1機
より高速な強行偵察用の局地偵察機。ハインケルHe-119爆撃機と同様に、胴体中央部に
液冷式倒立V型12気筒発動機「熱田」ハー40を、2基並列に連結した双子型24気筒の
ハ-70ー01を装備し、4mにおよぶ延長軸で機首の6枚プロペラを駆動する構造で、他に
3車輪式、並列座席の気密操縦席を装備していた。S20に試作機種の整理がなされ、
本機もその対象になったが  「景雲改」(R2Y2)の予備段階として完成を目指す。
未完成の排気タービンは装備されず、慣熟飛行の段階で換装中に終戦となる。
  ハ-70ー01(3100hp)  741km/h  3330km

長距離機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
PART6はより遠くに飛ぶ事を追求した機体です。
他国のそれを比較すると日本の航空機の航続距離は、エンジンの燃費の良さや主翼内
に設けたインテグラル・タンク等で格段に長大でしたが、より一層の向上を目指しました。

  キ-74試作遠距離偵察爆撃機 立川 S18 14機
初め対ソ作戦用の隠密長距離偵察機として計画したが、キ-77製作のため一時中断
され、後に米本土を片道爆撃できる特別攻撃機から、サイパン島攻撃用の戦略爆撃機
というように幾度も仕様が変更された。
高高度用の与圧室を装備し、当初ハー211ルのエンジンとタービンが不調のために、4号機
より排気タービン付きハ-104ルに換装された。重要開発機種に指定され量産をめざすも
時期が遅く実施部隊を準備中に終戦。S20サイパン島への戦略偵察を実施した。
 ハ-104ール(2200hp)x2 570km/h 9920km  12.7x1  950kg

 キ-77試作長距離研究機A-26  立川 S16 2機
A-26のAは朝日新聞、26は紀元2600年の略 東京-ニューヨーク間を無着陸親善飛行と
長距離飛行世界記録の更新を目的としたが、開戦により日独間(セ号飛行)に変更。
陸軍の試作記号が付いているが、朝日新聞社の紀元2600年記念事業に東大航研を
中心に開発され、製作は立川が担当した。
2号機はS18にベルリンをめざし初飛行も失敗、後に軍が中心となり1号機が16、458km
を57時間12分という世界記録をたてるも、未公認記録である。
 ハ-115特(1170hp)x2 440km/h 18,000km

 キ-83試作遠距離戦闘機 S16 三菱 4機
長距離爆撃機掩護用の双発遠距離戦闘機で、重量軽減と徹底した機体の流線形化
を図り、主翼断面には層流翼を採用する。
S16の陸海共同試作であったが型式の選定に時間を要し、結局完成はS19となる。
従来のキ-46よりも高性能であったが、各部の振動対策等の改修問題があった。
S19に増加試作の量産を目指すも、地震や空襲等の悪条件のために実現せず。
 ハ-211ール(2200hp)x2 704km/h 2219km  30x2  20x2  50kgx2

 17試陸上偵察機「暁雲」 空廠R1Y1 S17 開発中止
最大速度667km/h  航続距離7460kmという画期的な、長距離洋上偵察機。
開発が遅延している間に戦局が悪化し、S19に設計が70%程進展した状態で開発
中止になってしまった。

高度飛行編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
PART7は高空(10、000m)性能を追求した機体です。
敵重爆撃機が編隊飛行する高度に対して、迎撃するための試作でしたが
高空用のエンジン、排気タービン等の技術的な問題に、苦労したようです。

 キ-87試作高々度戦闘機 S17 中島 1機
対大型爆撃機用の排気タービン過給器装備した単座高高度防空戦闘機。
キ-84を大型化したような機体で、脚は収納スペースが無いために P-40のような
電動式の90度回転後方引き込み式、主翼の外翼部のみに上半角がついている。
タービンをはじめとして、いくつかの技術的な困難な問題(空中戦高度1万m)があり、
またキ-84の優先開発の為や、資材不足もあり本機の開発は遅れた。
排気タービンの不調や主脚の機構の故障のため、5回のテスト飛行だけで中止になる。
 ハ-219-ル(2450hp) 706km/h 3170km 30x2 20x2

 キ-94試作高々度戦闘機2型 S19 立川 1機
2000馬力級の排気タービン付空冷エンジン装備の単発成層圏戦闘機。
与圧気密室装備で、タービンはPー47同様胴体中央の操縦席下に配置した。
徹底的な抵抗減少をはかり、非常に洗練された機体となる。
S20/7に完成も地上試運転に終戦。不調のキ-87に代わりBー29迎撃機の本命だった。
 ハ-219-ル(2100hp) 712km/h ???? 37x2 20x2 250kgx2

 キ-108試作高々度戦闘機 S18 川崎 2機
与圧座席を装備したキ-102の7、8号機(増化試作型)を改造した単座双発戦闘機。
単座用のまゆ型気密カプセル装備であったが、いまひとつ信頼性が無かった。
一般性能は良好であったが、対B-29用としては高高度まで達し得なかった。
本機の胴体と主翼を大型化したキ-108改も製造されたが、テスト飛行の段階だった。
  ハ-112ー2(1500hp)x2 580km/h 1800km 37x1 20x2

 ロ式B型試作高高度研究機SS-1 立川 S17 2機
高々度飛行実験のため製作された、わが国初の与圧気密室装備の研二用実験機。
SS-1は成層圏の頭文字をとった 立川の社内名である。
陸軍の依頼で東大航研が基礎設計を行ない、立川が機体の製作をした。
戦局の悪化と現用生産機を優先のために、充分な実験を待たず中止となる。

代用機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編

大東亜決戦機として最重点生産機種となった疾風キー84の、代用材料転換型として
試作された機体です。

 キ-106試作戦闘機 S18 立川 10機
ジュラルミン不足に対応したキ-84の全木製化した改造機。
同じ強度をもたせるために自重で270kg近く増加し 当然に上昇性能は低下した。
木製化の技術や資材はまだ不十分であったが、陸軍は月産1000機を目標にした。
完成したうちの4機は終戦当時、北海道の飛行第54戦隊に配属されている。
 ハ-45(1990hp) 618km/h 1200km 20x2 12.7x2

 キ-113試作戦闘機 S19 中島 ?機
同じ理由で対応したキ-84の全鋼製化した改造型。
200kgの重量増加や工作工程の増加が伴い、実用化できなかった。
 ハ-45ー21(1190hp) 620km/h  1200km  20x2  12.7x2

 キ-116試作戦闘機 S19 満州飛行機 1機
キ-84のエンジンを馬力は劣るが信頼性の高い 三菱製ハ-112に換装された軽量化型。
空襲による中島発動機工場の製造低下を補うための改造で、機首を延長し重量が
500kg軽量化した。性能も変化なく運動性も良好であったが、試験準備中に終戦。
 ハ-112ー2(1500hp) ???  ???  20x2  12.7x2

最新鋭機編


特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編

最終回はドイツからの技術輸入によって、誕生したロケット及びジェット推進の機体です。
しかし100%コピーした訳ではなく、機体、エンジン共に独自の設計がなされています。
いかんせん時期が遅すぎて、いずれも実験段階で終わったことは残念でした。

  試作局地戦闘機「秋水」 三菱J8M1 S20 1機
高々度無尾翼ロケット局地戦闘機。国産化に難題はあったが可能性を期待した。
メッサーシュミットMe163Bの資料をもとに、陸海軍共用機として機体は海軍、エンジンは陸軍
が指導し製作は三菱担当。発動機の完成は遅れS20/6に山北1号(海軍)完成し、
秋水(海軍試験用)に搭載、松本1号(陸軍)をキー200(陸軍試験用)に搭載予定。
1号機は試験飛行中に不時着大破。2号機以降は実機の飛行にまで至っていない。
本機の特徴は そのずばぬけた上昇性能にあり、高度10000mまで3分30秒だった。
反面航続能力はいたって貧弱で、10000mに到着後 800km/hで1分少々しかなく、
後は無動力の滑空飛行で帰投するものであった。
 特呂2号(KR10)液体燃料ロケットx1(推力1500kg) 800km/h  30x2

 試作特殊攻撃機「橘花」 中島  S20  1機
メッサーシュミットMe262の資料から、生産容易な構造に改修した国産ジェット機。
当初の戦闘機から、対艦船用に陸上基地から迎撃する特別攻撃機に変更された。
最初予定した空廠試作のネ-12は推力不足だったので、BMWー003の図面を参考にして
ネ-20ジェットエンジンが使用された。主翼は強いテーパ角をもった先細翼で軽い後退角が
付けられ、防空壕等に格納するため外翼は折りたたみ式になっていた。
唯一完成飛行(S20/8に滞空時間約11分)した日本初の双発ターボジェット機である。
 ネ-20軸流式8段ターボジェットエンジン(475kg/11000rpm)x2  696km/h  500kgx1

 キー201試作戦闘爆撃機「火龍」 S20 中島 図面設計のみ
Me262を基本とし、同機をひとまわり大型化した双発単座ジェット戦闘爆撃機。
海軍版の「橘花」は特攻機(固定火器を搭載してない)であったが、こちらは戦闘機
として航続距離も長く、強力な武装と爆弾搭載能力を持っていた。
ネ-120(推力905kg)あるいはネ-230(推力885kg)軸流式ジェットエンジン搭載予定。
 852km/h 980km 30x2 800kgx1

 試作特殊攻撃機「梅花」  川西 S20 基本構想のみ
ドイツのパルスジェット装備のV1号無人飛行爆弾を参考にした、有人特別攻撃機。
戦局の早急回復にかける新航空兵器で、帝大航研、陸海軍共同で開発予定。
日本海軍が試作命令を出した最後の飛行機となった。
  カ-10パルスジェットエンジン(静止推力300kg) 556km/h  280km  100-250kg

特殊型式編 大砲装備編 大型機編 専門機編
高速機編 長距離機編 高度飛行編 代用機編 最新鋭機編
JU87氏にインターネット転載の許可を頂き感謝いたします

また 読者のみなさまの ご感想をいただければ幸いです
ご感想のメールはJU87氏に転送いたします



E-Mail