88 第一次大戦に多く使われた水冷式の機銃は、銃身を包むジャケットと容器を1本か2本のチューブでつないでいますが、わからないことがあります。蒸気はどうやって逃がすのかとか、蒸発して減った分はどうやって補われるのかとか。
Yp

  1. その容器は復水缶(米軍ではウォーターコンデンサー、英軍ではコンデンサーカン)といい、銃身を冷却する過程で蒸気になってしまった水を液体に戻すためのものです。
    よって、つながっている管には蒸気を逃がしているわけで、撃ち始めの時点では冷媒として少量の水を予め入れてありますが、基本的には復水缶は空の状態です。
    また、ウォータージャケット自体に水が入っているわけではなく、ウォータージャケットの内部には金属管(スチームチューブ)が張り巡らされていて、そこを水が循環することでウォータージャケット内の温度を下げて冷却しています。
    バルブは前端(もしくは後端)、つまり銃口近く(または薬室近く)にありますから、そこの折り返しが最も温度が高くなるポイントなので、下面にバルブを開けても即そのまま水(というか湯)が出てくるというわけではないのです。
    ウォータージャケット内の水が沸騰してスチームチューブ内の圧が高まるとバルブ(スライド式の蓋がある)を開いて復水缶へ蒸気を逃がします。
    圧が下がれば沸騰は止まりますからまたしばらく撃てます。
    そうしているうちに復水缶には水が溜まっていきます。
    復水缶にはゲージがついていて、定量の水を入れて撃ち始めた場合、そのゲージに達したところで射撃を中止してジャケットに水を戻すよう決まっています。
    ゲージを超えれば、蒸気はうまく復水せずに無駄に漏れ、銃身も過熱するのは当然です。
    また、どうしても射撃中止したくない場合、ヴィッカーズや.50口径のようにウォータージャケットにバルブが二つついているものは給水しながらの射撃が可能です。

    まなかじ

  2. ありがとうございました、まなかじさん。疑問氷解しました。
    自分は普段Ans.Qその2 艦船関係しか見ませんが、皆さん結構多方面の知識がおありなんですね。
    Yp

  3. 1>まなかじさま、いつもお世話になり有難うございます。
    たぶん下記間違えられたものと存じますが:
    「圧が下がれば沸騰は止まりますから」
    との記載では、物理の法則と反対になってしまいます。
    たぶん「圧が下がれば、同じ温度でも沸騰がますます激しくなって、さらに気化熱を奪うことにより」温度が下ますからまたしばらく撃てます。
    との意味ではないかと愚考しております。

    水冷式の機銃の復水缶は大気圧なのでしょうか?
    それとも、通常は加圧されているのでしょうか?
    The eternal若旦那

  4. 蒸発して減った分はどうやって補われるのかとか。

    小便を使ったとの記述を読んだ記憶があります。
    霞ヶ浦の住人

  5. >3
    申し訳ない、その部分読み違っていたのをチェックせずにそのまま書いてしまいました。
    単にスチームチューブにかかる過剰な蒸気圧を逃がす、ということのようです。
    「逃した蒸気の」ボイルがストップする、という文でした(恥
    射撃が続行できる理由はThe eternal若旦那さんの仰るような現象によっていると思います。

    復水缶は大気圧でしょう。
    米軍の
    http://www.rt66.com/~korteng/SmallArms/images/30mghv2.jpg
    http://home.tiscali.be/scorpio001/images/weapons/Water_Cooled_Machine_Gun.jpg
    ホースは缶の口に突っ込んであるだけですね
    ただhttp://members.aol.com/WW2JeepMBGPW/Photos/M31Pedestal30calJeep.jpg
    挿し込み口があるものもないわけではありません

    英軍の
    http://www.diggerhistory.info/images/weapons-recent/Vickers.jpg
    これが制式品らしいのですがあまり支給されなかったようです
    http://www.ima-usa.com/images/BV1928.jpg
    この手の10ガロンガソリン缶が代用品として支給されることが多かったようで
    http://www.diggerhistory.info/images/weapons-ww1-allied/vickers08.jpg
    そんなわけでやはり突っ込んであるだけです

    レプリカですが、ドイツのは凝ったつくり
    http://www.ima-usa.com/images/GM1028.jpg
    機関銃からのゴムホースは蛇口状のところにはめ込みます。可能な限り蒸発ロスを減らそうというところでしょう
    http://www.ima-usa.com/images/GM1028-1.jpg
    側面にもキャリングハンドルがあります
    まなかじ

  6. >5、まなかじさま。
    しょうもない揚げ足取りにもかかわらず、ご丁寧に教えていただき、有難うございました。
    なにせ、機関銃の冷却に気化熱を利用しているなどとは全く考えも及びませんでしたので(戦争映画で、よく中の水を飲もうとするシーンがありますが)、たくさんの資料画像を教えていただき、感謝いたしております。
    The eternal若旦那


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