106 今日の産経新聞の朝刊に海軍士官が軍刀を常時携帯することはないと書いてあるのですが、軍刀は持ち歩かないものなんですか?
エルダ

  1. 現代の海軍から類推ですが・・・

    私が予備役になっている海軍では、「軍刀」(サーベルですが・・・)が一応制式装備になっています。しかし、式典以外で「軍刀」なんぞぶら下げている士官にはどんな場所でも出会ったことはないですね。服装規定では、士官は常時軍装ですから着けてもいいことになっているのですが・・・多分、往時の海軍でも同じようなものだったのではないでしょうか?

    軍艦の中は相当な大型艦でも狭苦しいのが普通でして、特に通路など、6万t超える艦でもすれ違うのに苦労します。そんなところで軍刀なんぞ吊るしてたら邪魔で仕方がない。はるか昔のように、艦艇同士の戦闘が最終的には敵艦への切り込み、という時代ならいざしらず、少なくとも第一次大戦以降、そういう戦闘はごく僅かでしかありませんので、「軍刀」など艦内では邪魔者に過ぎないのも事実でしょう。私物として持ち込んだ例はあるとは思いますが、そんなものぶら下げて艦橋当直に立つ士官がいたら、怒鳴られても文句言えないでしょうね。磁気コンパス狂いますしね。

     この元になった文章は知っていますが、GHQの検閲で書き直しさせられていることに注意が必要です。しかし、いつになったら軍人=軍刀というステレオタイプから脱却できるのかなぁ・・・少なくとも今の海軍士官ってのは技術者(昔もそうだったはず。技術レベルは違っても。)以外の何者でもないのですが・・・・
    elebras

  2. 海軍では準士官以上は短剣を吊ります。但し、儀式や上陸など正装する場合だけで
    普段は着けません。陸戦隊要員の士官以外は軍刀(いわゆる日本刀)は不要ですが
    中には私的に所持していました。
    蒼空

  3. 便乗質問させてください。それらの軍刀や短剣は白兵戦でも使えるよう作られていたんですか?それとも完全な飾りで刃はついていなかったのでしょうか。
    匿名希望

  4. >3
    エクアドル海軍では分列行進の指揮刀は本物です。行進指揮は指揮杖ではなく、エスパーダと呼ばれる指揮刀で行います。その後ろ、士官分列が下げているのは飾りで、それらしく形を作ったものにクロームメッキしたものです。
    elebras

  5. あのelebrasさんが予備役になっている海軍というのはどこの国ですか?
    エルダ

  6. >5
    エクアドルです。移民ビザ取得の条件でした。(今は廃止)
    elebras

  7. >3
     当然、軍刀も短剣も刃はついていますよ。 ただ、短剣は白兵戦より自決用の意味合いを持たせた
    だった装飾用。古刀を軍装した軍刀は守り刀じゃないでしょうか。



  8. elebrasさんありがとうございます。でもプライベートなことを聞いてしまってすみません。
    エルダ

  9. 海軍士官用の刀剣類には、長剣と短剣があり、長剣は昭和十三年までは、サーベル型で、三笠艦上日本海海戦の東郷元帥の絵で元帥が所持されている形のもので大体推移しました、以後は、海軍軍刀として知られる陣太刀型の軍刀です。
    短剣とサーベル型のものには、陸軍の指揮刀同様、鉄の刀身にクローム鍍金を施した儀礼用の物も散見されます。
    短剣は、帆船時代のロープ切断用の実用具が、装飾的に伝承されたものだったと記憶致しておりますがソースを忘却いたしております。
    儀式や正装類似の行事には記念写真の撮影などに、終戦までこの新旧軍刀短剣混在で写されたものを見ます。
    南方の航空基地の地上要員士官なども軍刀を所持した記述、写真を見ますので、一般的海軍士官は常時軍刀を所持しなかった、がお答えだと思います。
    実用性がないので常用しないが、その割に精神的側面から普及率は高いと言えるのではないでしょうか。

    退役老少佐

  10. 問題の記述は、吉田満「戦艦大和ノ最期」で、
    初霜から救助に向った短艇の乗組員が、短艇に乗せ切れない漂流者の手首を斬った描写についてだと思います。

    海軍士官は、通常は軍刀を携行しませんが、
    艦艇には、陸戦用に軍刀を積んでいる場合もあると思います。
    (橋本以行「イ58帰投セリ」で、米軍魚雷艇と伊1号潜水艦とで白兵戦になりかけて、軍刀を携行して魚雷艇に乗り移ろうとする士官の描写があります。)

    ただ、短艇に乗ってる士官が、舷側に掛けている漂流者の
    手首を切断しようとすると、とんでもなく不自然な姿勢となります。
    (棒か何かで試して下さい)。
    また、日本の剣道や居合には、このような姿勢で刀を振る姿勢はありません。

    「戦艦大和ノ最期」は、名作だと思いますが、この件については、
    本当に惜しい事に、作者の誤認だと思います。

    脱線した話で申し訳ありません。

    彗星夜戦

  11. 補足の為、言いますが、
    短艇から舷側の手首を斬ろうとすると、「鍬で畑を耕す姿勢」なるのですが、加えて、切先の弧跡が斬り手の身体の重心を通過しません。
    よって、斬り手の身体が著しく揺らぐ事になります。
    試しにやってみれば解りますが、陸上でも相当無理な姿勢です。
    ましてや短艇の上では、誰がどう考えても不可能です。

    彗星夜戦


Back