130 黒色火薬時代のパーカッション式拳銃の威力は、口径が同じでも現代の銃より劣ると聞きますが、実際にそういった拳銃を携帯した当時の人々の意識や実態はどのようなものだったのでしょうか?
たとえば職業的もしくは護身に携行する場合、パーカッション拳銃はそれ単体で役に立ったのか(また役に立つと考えていたのか)そうでないのか、という意味です。

また、同じサイズでも威力が違うというのはわかるのですが、その格差がどの程度のものか今ひとつわからないため、比較データ(この口径で現代の何々とおおよそ同じ、といったような)など御教示頂ければ幸いです。
ふらっくどらぐーん

  1. ブラックパウダー・パーカッションは低初速(700〜800fps)ですが大口径(.36〜.44in)で大重量弾(120〜200gr)で、当たれば致命傷になる事に変わりはありません。短剣よりは遥かに有効で信頼に足る護身兵器だったのではないでしょうか。ただし、パーカッション式は再装填が非常な面倒(火薬を入れて弾を詰めてキャップを換えて…を6回繰り返す必要がある)で、戦闘中の再装填は殆ど不可能でした。このため実戦向きのリボルバーは銃身を必要以上に長く・重く・強く設計し、弾が尽きたときは棍棒の代わりに使えるように考慮されていたそうです。


    ちなみに現代の代表的な拳銃弾は

    .38spl 160gr 850fps
    9x19 125gr 1000fps
    .40S&W 180gr 950fps
    .45ACP 230gr 900fps
    .44mag 240gr 1400fps

    くらいの性能です。ちなみに gr(グレイン), fps(フィート毎秒)は北米において銃の性能表記に多用される単位系です。メートル法に直すなら 1gr = 0.0648g, 1fps=0.656m/s で換算してください。
    ささき

  2. >2
    1フィートは0.3048mですから、1fpsは0.3048m/sになるのではないでしょうか?
    カンタニャック

  3.  ちなみに、パーカッション式拳銃の再装填の手間を省くアイデアとして、複数の銃身(キャップは各銃身にセットされている)を束ねて手で回転させながら連射する『ペッパーボックス』と呼ばれる形式の拳銃がありました。
    ブラック・タロン

  4. >2. そうですね。なんか換算式トチ狂ってました。
    >3. 装填済みのシリンダーを用意しておき、シリンダーごと交換する方法もない訳ではありませんね。

    ささき

  5. パーカッション拳銃の威力を、ささき様のデータを初活力に換算して比較いたしますと、17.5kg/m〜38kg/mの間となり
    32Automatic=17.3kg/m 380Automatic=26kg/m 9oLuger=41kg/m 38Special=25kg/m 38Special+p=33kg/mなどと同程度の範疇で、45Automatic=48kg/m 357Magnum=75kg/mよりは小さい値であることが判ります。(数値は目安です、大きく違えばご指摘ください)
    黒色火薬を装薬に使っていた時代は、例えば45Long coltで装薬量40grでしたが、同じ初活力を得る為に、今日同実包には10grの無縁装薬しか装薬されません、黒色火薬と無煙火薬の大まかな威力の違いの目安になるかと思います。
    このように黒色装薬の燃焼による火薬ガス発生量は比較的に少ない為、当時は初速を上げることが難しかったので、弾頭重量を大きくすることで初活力を稼いでいます。
    また、この時代の弾頭は鉛の剥き出しです。
    このような、低初速の重量鉛弾を人体に打ち込めば、大きく重く軟らかい弾頭がゆっくり人体に食い込み貫通しにくいので、むしろ現代の実包よりダメージが大きくなり、負傷後の治癒なども遅くなります、たとえ初活力の数値は同じでも当時の弾薬の方が誠に厄介な代物なのです。

    今日的には随分旧式なパーカッション銃も、当時は最新の銃である以上、撃ち合うにしても当然、皆同条件ですし、近接戦闘にあっては充分刀槍より優位であり、護身用、法執行用に充分な威力があったと思います。
    現在でも多くのパーカッション銃が残っているのがその証拠ではないでしょうか。

    退役老少佐

  6. >職業的もしくは護身に携行する場合、パーカッション拳銃はそれ単体で役に立ったのか(また役に立つと考えていたのか)

    銃の歴史はマッチロック(火縄式)からフリントロック(火打石)を経てパーカッションに至り、更にカートリッジ式へと発展してゆきます。火種の要らなくなったフリントロックは大きな進歩でしたが、発火確実性が低く湿気や雨天に弱い欠点が残っていました。前装式フリントロックピストル(海賊船長が腰に差してるような奴)は一発しか撃てず、その一発も肝心な時に出るかどうか判らないという極めて信頼性の低い兵器であり、兵器としては映画「マスター・アンド・コマンダー」に描かれているごとく、突撃の前に景気づけに一発ぶちかます位の価値しかありませんでした。

    雷管キャップを使うパーカッションはこれらフリントロックの欠点を解消し、更に連発射撃を可能にしたリボルバーは携帯銃器の一大革命だったと思います。装填問題が残っているため刀剣を完全に置換するには至らなかったでしょうが、「弾が残っているかぎり刀や槍には絶対に負けない」という信頼に応える価値があったと見て良いのではないでしょうか。
    ささき

  7.  当時の人びとの意識に関して、私見を書かせて頂きます。
     まず、パーカッションにもいろいろあると思います。単発式もあれば連発式のペパーボックスやリボルバーもあります。リンカーン大統領を射殺した銃はフィラデルフィア・デリンジャーという単発のパーカッション・ポケット・ピストルでした。ペパーボックスやハーモニカ拳銃は重くて、ふつうの人はあまり使う気にならなかったのではと思います。ダブル・アクション・リボルバーもありました。さらには、レマットという拳銃弾とショットガン・シェルを撃てるパーカッション・リボルバーもありました。
     でも、サミュエル・コルトが使い勝手のよいリボルバーを開発してからは、このリボルバーが広く信頼されていたことは文献を読めばわかます。でも、かなり高価だったので、だれでももてるものではなかったはずです。また、レミントンのM1863などはかんたんな操作でシリンダーをすっぽりはずせるようになっていましたから、全弾撃ち終わっても、装填した予備のシリンダーをもっていれば(ガンベルトにさしておく)セミ・オートのボックス・マガジンを挿入する感覚ですぐにまた5,6発撃てる構造になっていました。
     というわけで、当時の人(軍人も民間人も)はリボルバーであれば充分役に立つと考えていたにちがいないと愚考します。

    Jウォ〜ク

  8. いわゆる大航海時代,海賊が跋扈していた頃の拳銃の中に,グリップが馬鹿デカイ棍棒状になっているものがあったのは,まさに弾を打った後にそれで相手をぶん殴るためだったそうです.
    脇からすみませんが

  9. こうじと言います。ゴミレスです。
    黒色火薬使用銃は現在も無許可で購入できる国も結構あると思います。
    私はイタリア製のレミントンアーミーのレプリカっぽい銃(すみませんあまり知識がなくて)をフランスで撃った経験があります。結構驚いたのは銃身内にライフリングがあったことです。球体の銃弾にライフリングは無意味だったと読んだ記憶があるのですが。
    紙のターゲットを撃ってたので威力がどうかは分かりません(回答になってなくすみません)。
    こうじ

  10. 回答有り難うございます。単純に黒色火薬だから〜というのは浅い考えでしたか。以前コルト・ネービーの威力不足に関して読んだ記憶があり、私はこれ以下の小口径護身銃は気休めだと思っていましたが、そう単純な問題でもなさそうです。

    追加質問になるのですが、パーカッション・リボルバーにダブルアクション銃が少ないのは技術的な問題なのでしょうか。私はスター(スタール?)とアダムスくらいしか知りませんが、アダムスの発売はコルト・アーミー以前だったと思うのです。特許・技術的に不可能だったのか、問題があるから採用しなかったのか、どちらでしょうか。
    ふらっくどらぐーん

  11.  またまた私見で申し訳ないのですが、わかる範囲で書かせて頂きます。
     パーカッション・リボルバーのダブル・アクションはヨーロッパ、とくにイギリスで多数製作され、発展したものらしいですね。その証拠に、古いDAリボルバー(セルフ・コッキング・リボルバーとも呼ばれた)のオークションには、Adamsのほかに、Tranter, Westley Richards, Bentley, Kerr, Webleyなど、19世紀中頃〜に製作されたイギリス製リボルバーが多く出ています。だれが言ったのかはわかりませんが、当時ダブル・アクションは「Double Action "hesitation(躊躇する、ためらう、の意)" lock」などと揶揄されることもあったそうですから、黒色火薬時代のアメリカでは受けなかったとも考えられます。トリガーを絞っていっても、どこで撃発に至るかわかりにくいためぐずぐずしているように見えたのかもしれません。イギリスから独立したアメリカは、イギリスの真似などしたくなかったでしょうし。ちなみに、ダブル・アクションの特許は1855年にイギリスのPryse and Cashmoreという会社が取った、とものの本にはありました。
    Jウォ〜ク

  12. >5.この時代の弾頭は鉛の剥き出しです。このような、低初速の重量鉛弾を人体に打ち込めば、大きく重く軟らかい弾頭がゆっくり人体に食い込み貫通しにくいので、むしろ現代の実包よりダメージが大きくなり、負傷後の治癒なども遅くなります、

    確かに”鉛の剥き出し”その通りですが、現代のフォローポイント、ソフトポイント弾の様な状況となる意味でしたら
    誤解を招くかもしれません。

    比較的低初速&単純球弾の場合、軟質物に衝突してもそれほど変形(元口径より大となる意味で)はせず、
    割とそのままの形状を維持するものと考えます。 鴨猟などは・・・・・・・


    軌跡の発動機?誉

  13. >12 >>現代のフォローポイント
    博覧強記の〜誉さまに対して失礼、かつ差し出がましいのですが、「フォローポイント」ではなく「ホロー(ハロー)ポイント」(hollowpoint:先端がくぼんだ)では? 「マガジン・フォーロア」という表記も見ることがありますが、なぜ「フォロアー」(follower:追っていくもの)と表記しないのか不思議です。銃器用語はカタカナが多いですが、表記のせいで理解を妨げることもあると思うので、老婆心からひとこと述べさせて頂きました。質問と無関係ですみません。ピリオッド。
    ワールドGUN

  14. >.13 ワールドGUNさんへ
    フォロー感謝いたします。 ホロウポイント、ホロウノーズ、或いは先頭破裂弾、ダムダム弾、
    人によって(古い人間ほど)色々と呼び名があり難しいものですね。



    博覧法螺吹き?誉


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