197 日本陸軍の装備で機関銃と言うとバナナ型弾装を連想させてしまいますが、ちゃんと陸戦目的のベルト給弾式の機関銃は在ったのでしょうか?97式戦車なども確かバナナ型弾装だと記憶しております。一〇〇式短機関銃も着剣装備だしいまいち日本陸軍の武器に対する思想が理解できません。ルイス式機銃のように丸型弾装でもいちいち交換するのが手間ですしベルト給弾式の方が給弾も楽なように感じます。日本陸軍にベルト給弾式の機関銃は在ったのでしょうか?

  1.  水冷の98式機関銃はベルト給弾です。
     構造的に長時間連続射撃できないし、射撃方法の基本が数発単位のいわゆるバーストなので、弾倉ないし保弾板の30発前後の弾数でも構わないのです。
    SUDO

  2. 早速の回答ありがとうございます。水冷なのに連続射撃を念頭に置いていなかったのでしょうか。敵の歩兵の事を考えると30発のバースト射撃では心もとないような気がしてなりません。地上戦の機銃が発射速度が遅いのは承知しておりますが折角ベルト給弾式にしたのだからもっと連続発射できるような機関銃は開発念頭には置かれなかった訳ですね?


  3. >日本陸軍にベルト給弾式の機関銃は在ったのでしょうか?
    戦闘機用の89式固定機銃(ビッカース系)は分離式リンクのベルト給弾式ですね。
    ささき

  4. >2
     いや、ですから、水冷機銃は連続射撃を果たすためにベルト給弾で、他の一般的な空冷機銃はベルトではないんです。
     どうせ過熱して撃てなくなるか、弾丸が切れて撃てなくなるんですから、ベルトであろうが無かろうが、普通は変わらないんです。
     それに弾倉式でも弾倉交換をする補助人員がついてますので、交換の手間は別に大きな問題ではありません(この人員は無体な消費をする機関銃用弾丸の運搬係でもありますので無駄な人員ではありません)
     またバースト射撃は何処の国でも普通に常識的に行ってます。映画みたいに景気良く連射すると、銃が暴れて無駄に弾を撒くだけになるので、普通はしません。
    SUDO

  5. ベルト給弾の機関銃の有無と言うご質問には、直球のお答えではないかもしれませんが、陸戦に限って言えば、軽機は当時まだ箱弾倉が一般的で、日本陸軍での重機の運用は、敵の攻勢発起点や機銃、指揮官などの重要目標の点射攻撃に主を置く自動遠距離狙撃銃という位置付けと考えられ、この運用法なら30発保弾板で対応可能、もしさらに面の制圧が必要な場合30発保弾板は、複数を連結出きる様設計されていますので、見方によれば簡易ベルトリンクとも言えます、従ってこれも対応可能、故に陸軍は陸戦用主力機関銃にベルトリンクの必要性を痛感していなかったのではないでしょうか。
    退役老少佐

  6. 連続ですがご理解の一助の為に、九八式水冷重機関銃は、べースが英のビッカースMK1で水冷、ベルト給弾式です、お考えの通り長時間射撃向きの銃ですが、これは陸軍の主力機関銃ではなく、満ソ国境の要塞据付を目的に開発配備された機関銃です。
    つまり陸軍も用途上必要ならベルト給弾式も採用しているが、通常の主力機関銃にまでベルト給弾の必要性を考えていなかったと言う事で、主力の九ニ式重機関銃からその次の一式重機関銃でも保弾板式給段法を採用しています。

    退役老少佐

  7. http://www.warbirds.jp/sudo/infantry/souten_index.htm
    この第三編が、日本陸軍は重機関銃をどうやって使うかという用兵思想を端的に現わしています。
    こうした用法であればベルト給弾による連続射撃という能力は必ずしも必須でないのは理解できるかと思います。
    また、第二編をよく読めば、軽機関銃をどうやって使うかという考え方も読み取れることでしょう。
    それにはベルト給弾による連続射撃という能力を持たせることは却って邪魔になりかねないのが見て取れます。

    その上で、重機の給弾が保弾板なのはオチキスの原設計〜三八式〜三年式を踏襲してきたもので、それで特に問題を感ずることはなかったからこそ変えずに続けているわけです。これに対して十一年式軽機のホッパ式弾倉は問題だと感じたので九六式で箱弾倉に変えたわけで、日本陸軍といえども拙ければ改良するつもりはあったのですから。
    重機が空冷式なのは九七式中戦車のエンジンと同じく水の確保がそうそう容易でない満州中央部〜興安嶺より西の戦域で戦うことを意識していたからです。
    迅速銃身交換機構については換えの銃身を補給する自信も、それで撃ちまくるべき弾薬を補給する自信もなかったので採用はできません。
    であれば、用兵思想上で必要な機動性・運動性の水準を損なわない範囲で銃や銃架を重くして安定性を高め、連射速度を落として振動を抑制して射撃精度を高め、また同時に銃身の過熱を遅らせて空冷式の欠点を補い、射撃可能な時間、ひいては制圧期間に切れ目を作らず、更に銃身の絶対寿命もまた延ばしているわけで。
    つまり、日本陸軍の重機関銃は、陸軍の貧乏体質や限られた兵站能力、想定される戦場といった諸条件に対してはそれなりに合理的な機能性能を持っています。

    水冷式ベルト給弾の九八式機関銃は要塞に配置することを目的とする重機関銃で、使用条件からして水や弾薬の補給が容易であること、また敵の猛攻を支える必要性があることから、そうした形態を採っています。
    ただ生産量はごく限られたもので、使用状況にしてもソ満国境の要塞地帯に若干が配置されたとかされていないとかはっきりしていません。

    軽機に関しては概ね世界標準に近い考え方と、似たような運用法を採っています。軽機にベルト給弾というのは、第二次大戦中に関して言えばドイツだけに見られる特異な形態です。
    まなかじ

  8. 皆さん沢山の分かりやすい回答ありがとうございました。どうしてもドイツの軽機関銃の運用が頭から離れなかったもので。


  9. 現代の優秀な支援火器にもバナナ弾倉は生きている。(はずです)
    ベルト給弾式と弾倉式給弾方式の優劣を判定するのは難しいでしょう。
    よくある質問で、短機関銃の着剣装置の意義がここでも過去にいっぱい書かれていますが、それほど奇異な装備ではないように思えます。
    無いよりはあったほうが兵士にとっても何らかの有効な兵器にはなり得たと
    思います。
    桃パパ


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