223 薬莢でセンターファイヤーとリムファイヤーがありますが、違いがわかりません。またボルトアクションライフル系でよくロングアクション、ショートアクションと言った言葉を聴きますが、こちらもよくわかりません。
ご存知の方レクチャー宜しくです。
弾僧

  1.  とりあえず、センターファイアとリムファイアについて。

     センターファイアは、薬莢の底の中心部にボタン型の雷管を埋め込んだ形式で、現在の銃砲用弾薬の主流となっています。雷管および薬莢底部のプライマー・ホール(雷管を詰める孔)の構造によってベルダン型とボクサー型の2種類に分かれます。
     一方、リムファイアは薬莢の底のリム(縁)の中に点火薬を詰めて雷管を兼ねた形式で、撃針がリムの一部を叩き潰すことによって撃発します。歴史的にはセンターファイアより先に登場し、最初の実用的薬莢式弾薬となりましたが、弾薬が大型化するのに伴って不具合(リムの強度が足りなくなり、かといって強度を上げると不発になりやすくなる)が生じるようになったためセンターファイアに取って代わられ、現在では.22口径の弾薬で生き残っています。
    ブラック・タロン

  2. ブラック・タロンさん
    ありがとうございます^^勉強になりました。
    またロングアクション、ショートアクションは薬莢の大きさの違いでしょうか?
    弾僧

  3. ロングとショートの差は遊底(ボルト)にある閂子(ロッキングラグ)の数の差でしょう。
    閂子が前後2つついているのがロング、どちらか一方(概ね後方)1つしかついてないのがショート。軍用小銃で言えば前者の代表格はモーゼル系、後者の代表格はリー・エンフィールド系でしょう。
    遊底のガタつきがほとんどなくなるのでロングの方が1発あたりの命中精度に優りますが速射性(つまりは操作性)に劣ります。これは単にボルトの前進後退距離の差という以上に利いてくる可能性があります。例えば、モーゼルはボルトを引くと本当に目の前まできてしまうのでいったん目線を外さないと引けないのに対し、SMLEは目線を外さずにボルトを引けるという差があり、実際の挙動数で2つ3つ有利になっています。これはよく見ていると映画でも再現されていますね。
    槓桿操作式小銃の全盛期は照尺距離を長くとるのが普通だったので、軍用ではロングの方が圧倒的に多数派です。但し、特別な強装ではない通常の小型軽量弾では遊底にかかる力が小さくなる分ガタつきの影響も相対的に小さくなるので、ショートとロングの命中精度の差は縮まります。
    まなかじ

  4. >またロングアクション、ショートアクションは薬莢の大きさの違いでしょうか?
    そうです。ケース長さによるエジェクション・ポートの長さ(結果的にレシーバー長)の違い。
    各社により設定は異なりますが、概ね308ウィンまではショート。30−06以上はロング。マグナムの場合、マグナム・アクション等と
    呼ばれたりします。くどいですが会社によって呼び方は色々です。


    ロッキング・ラグは特に関係は無いと思います。また、後部ラグ(M98やM1903等)はレシーバーには
    殆ど接触しない、あくまでも予備です。ボルトボディのガタつきとも無関係と思います。
    現在、後部ラグを備える物は殆どありません。223〜460ウェザビーまでフロントのみが主流です。SMLEはフロントに設ける事が出来ない為
    リアに2箇所です。結果的に作動ストロークは短くなりましたが、強度で劣ります。(303ならば十分ですが)

    たかひろ

  5. まなかじさん たかひろさん
    ありがとうございます。 またまた勉強になりました。


    弾僧

  6. >4.現在、後部ラグを備える物は殆どありません。

    後部ラグ・ボルトアクションはマイナーではありますが、現代でもそれなりに存在しています。
     ”Sauer(SIG) SSG2000” ”Steyr SSG (ScharfShutzenGewehr 69)” 等。

    後部ラグ方式は命中精度低下となり易いと言われていますが両社ともスペシャル物狙撃銃であり、
    それなりの名声を得ている事(採用実績)は面白いです。


    >3.SMLE
    >4.ロッキング・ラグは特に関係は無いと思います。

    ボルト前部にラグを持たないという事は、視点を変えれば薬室後部にラグ用リセスが不要です。
    これは、バレルの生産性も良好ながら、ローディング距離に+リセス長さが不要であり、
    ボルトストロークはほぼ弾薬長ですみますので速射性に優れています。 (実質ショートアクション)

    ”James Parish Lee”考案による リーライフル系のボルト基本メカは 当初よりその事を狙った設計と考察します。
    この事は ”Lee speed magazine rifle” とも俗称される事からもうかがい知れます。

    又、一般に 後部ラグ方式はレシーバ強度を危惧されますが、”Mauser” に代表される前部ラグ方式に於いても、
    ラグ移動用スライド溝が長く(ほぼ全長に渡り)レシーバーに刻まれる為、下手な設計では命取りとなり得ます。
    この辺は設計の巧みさではないでしょうか。


    ところで、ロングアクション、ショートアクションと言葉は 戦後の米国ハンティングライフル・コマーシャル市場にて
    言われだしたものではないでしょうか?
    少なくともミリタリーライフル界にてはその様な言葉は聞かれません。


    以上 本題より脱線した私見すみませんでした。

    軌跡の発動機?誉

  7. >後部ラグ・ボルトアクションはマイナーではありますが、現代でもそれなりに存在しています。
    嫌、私が言っているのはリアのセーフティ・ラグの事です。これはあくまでも予備であって、通常はレシーバーに接触はしないと言う事・・・つまりガタを殺す云々とは関係ないと。

    >SMLE
    このデザインに関しては一長一短ですが、現在の主流から大きく外れている事を考えると・・・(笑)

    >ロング&ショート
    サコーではミディアムなんてのもありますね。また、M98マウザーでも、ラージ・リングとスモール・リング同様、ショート・マウザー・アクションとロング・マウザー・アクションがありました。重さで2オンス、レシーバー長で .25インチ異なるようです。KPの本参考(笑)

    脱線しまくりですな・・・

    たかひろ

  8. しつこく済みません・・・

    何か私の記述を読み返すと、まなかじ氏の意見を全面否定する感じに誤解されそうなので、フォローと言う訳ではありませんが・・・

    私が賛成できないのは
    >閂子が前後2つついているのがロング、どちらか一方(概ね後方)1つしかついてないのがショート。
    と言う部分で、恐らくここは・・・
    閂子が前に2つあるタイプ(M98など)は、閂子が後ろに2つあるタイプ(SMLEなど)よりも、ボルト・ストロークが長くなる。
    と言う事が仰りたかったのでは?これならば全て納得がゆきます。

    前後2つと言われると、フロントとリアのセーフティ・ラグと言う事になってしまい、ストロークやガタ付き共に無関係になってしまいます。

    また、軌跡の発動機?誉氏の仰るように、質問者の言う「ショート&ロングアクション」は、コマーシャル・ライフルで言うところの意味と思います。ショートアクション或いはロングアクションでググると、その辺の記述が沢山でますよ。

    長くなりましたが以上です。


    たかひろ


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