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ノースアメリカ P-64 AT-6 テキサン改造の輸出用戦闘機

 P-64 はノースアメリカンの社内呼称 NA-50A と呼ばれ、同社のベストセラー練習機 NA-26(米軍採用名 AT-6 テキサン)をベースに開発された輸出用の単座戦闘機です。AT-6 との大きな違いは P-36 に似たファスト・バック型風防を採用したことで、後部胴体の高さが増して側面形はずんぐりした印象になっています。
 NA-50A は 1935 年から 1936 年にかけてペルー空軍に七機が納入されました。1939 年暮れにはシャム王国(タイ)から武装を強化した NA-68 六機の発注がありましたが、タイへの運送途上で太平洋戦争が勃発したため、NA-68 は P-64 の名称で米軍に接収され、練習機として用いられました。戦後ほとんどの残存機はスクラップにされましたが、民間に払い下げられた一機(登録コード N840)が残っています。派手な星条旗塗装を身にまとったこの機体は果敢にも(無謀にも?) 1968 年の大陸横断ナショナルレースに出場しましたが、電気系の故障でリタイヤしました。
(文・ささき)

緒元(P-64 予定性能)
製作1939年
生産数13 機
乗員1
全幅37ft 3in(11.35m)
全長27ft(8.23m)
全高19ft 8in(5.99m)
主翼面積227.5ft2(21.1m2)
乾燥重量4660LBs(2114Kg)
全備重量5990LBs(2717Kg)
武装7.62mm 機銃×2(機首)
20mm 機銃×2(主翼下面)
発動機ライト R-1820-77 空冷9気筒 870hp
最高速度270mph(435Km/h) 高度 8700ft(2652m)
実用上昇限度27500ft(8382m)
航続距離635ml(1022Km)


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