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ダグラス P-70 A-20 軽爆の夜間戦闘機型

 P-70 はダグラス A-20「ハボック」を改造した夜間戦闘機です。ドイツの Ju88/Do217、日本の P1Y 銀河、イギリスのデハビランド・モスキートなど高速軽爆を改造した夜戦は多く、中には終戦まで主力夜戦の地位を占めた傑作機もありましたが、P-70 はあくまで間に合わせの域を出ませんでした。P-70 の機体はほとんど無改造の A-20 でしたが爆弾倉と旋回銃座は撤去され、腹部ガンポッドや機首に 20mm 機銃4挺または12.7mm 機銃6〜8挺を搭載していました。

 生産されたほとんどの P-70 は米国内でレーダーの研究や夜戦部隊の訓練用機材に割り当てられ、P-61 ブラックウィドウの登場までそれなりに有益に使われました。ごく少数は実戦部隊にも配備され 1943 年の数ヶ月間ニューギニア戦線で夜間迎撃に従事しましたが、この間に記録された撃墜はわずか二機と伝えられています。
(文・ささき)

緒元(P-70)
製作1942 年
生産数270 機(全タイプ合計)
乗員2
全幅61ft 4in(18.69m)
全長47ft 7in(14.50m)
全高18ft 1in(5.51m)
主翼面積464ft2(43.1m2)
乾燥重量15730LBs(8049Kg)
全備重量19750LBs(10485Kg)
武装20mm機銃×4(腹部下面)
発動機ライト R-2600-23 空冷14気筒 1600hp×2
最高速度329mph(652Km/h) 高度 14000ft(4572m)
実用上昇限度28250ft(11400m)
航続距離1060ml(3838Km)


P-70 サブタイプ一覧
サブタイプ生産数特徴
XP-701A-20 改造の試作型
R-2600-11(1600hp)
英国製 AI.Mk.IV メートル波レーダー
腹部 20mm 機銃×4
P-7059初期量産型、XP-70 とほぼ同仕様
P-70A-139A-20C 改造型
R-2600-23(1600hp)
腹部 12.7mm 機銃×6〜8
P-70A-265A-20G 改造型
機首 12.7mm 機銃×2+20mm 機銃×4
P-70B-11A-20G 改造型
機首に SCR720 センチ波レーダー搭載
腹部・機首側面に 12.7mm 機銃×6
P-70B-2105A-20G/J 改造型
機首に SCR720/SCR729 センチ波レーダー搭載
腹部に 12.7mm 機銃×6〜8


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