作戦要務令

第四部


大河の渡河

第2章 渡河準備

第2節 捜索
  1. 第12
    大河の渡河に必要なる細部の敵情、地形の捜索に方りては、既往の調査に依るの外、時々撮影する空中写真、河岸占領部隊等の獲得せる情報、幕僚又は砲、工兵将校等の空中捜索、潜入せる斥候の捜索、要点に配置せる監視哨の不断の観察等に依り、各種の成果を綜合判定すること緊要なり。高級指揮官は此等各機関を統制し組織的に活動せしむると共に、企図を暴露せざる如く細心の注意を必要とす
    時として武装せる舟艇を利用して捜索を強行せしむることあり
  2. 第13
    大河は其の流域広大なるが為、作戦地域外の気象、季節の交感等に依り、水位に変化を生じ、又原因不明の増水を見ることあり。故に、直接河川を偵察するの他、河孟の全地域に亙り必要なる情報を収集するの着意を必要とす