作戦要務令

第四部


大河の渡河

第3章 渡河実施

第2節 水上機動
  1. 第39
    敵の意表に出んが為、企図を秘匿し所要の部隊を以って水上起動を行うことあり。之が為、事前の捜索及び準備を周到ならしむると共に、関係部隊との連絡を緊密にし、実施に方り錯誤を生ぜしめざること緊要なり
  2. 第40
    水上機動の為、舟隊の隊形及び行動は、状況、特に河川の景況、航進の難易等を考慮して定むるも、通常2列又は1列縦隊を以って上陸点の正面に到り、適時横隊に排開して一挙に上陸点に驀進するを可とす
  3. 第41
    水上機動に任ずる作業隊の指揮官は、快速なる舟艇、武装せる舟艇等に依り舟隊の前方及び側方を警戒せしめ、或は予め水路標識を設置せしめ、以って航進の整斉安全を図ること必要なり