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カーチス XP-23 流麗な米陸軍最後の複葉戦闘機

 XP-23 は 1924 年の P-1 以来連綿と続いた複葉ホーク・シリーズの最終作です。美しい流線形の胴体は完全に再設計された全金属製セミ・モノコック構造で、主翼の空力形状は P-1 と同じですが構造材は木製から軽金属に置き換えられています。エンジンは P-6 と同系列のカーチス V-1570 コンカラーですが、減速ギヤを備えたためプロペラ軸が機体中心より上方となり、三翅の金属製プロペラを装備していました。また機首左側面には排気タービンを搭載しており、垂直尾翼も P-1 以来の角張った形状から丸っこい形状に変更されています。
 XP-23 は 1932 年 4 月に完成しましたが排気タービン過熱に悩まされ、また重量過大のため低空性能が悪く、海面高度での最高速度はわずか 178mph(287Km/h) でした。のちにタービンを外して二翅プロペラに換装し YP-23 と改称しましたが、既に陸軍の興味は低翼単葉のボーイング P-26 に移っていました。テスト終了後カーチスに返却された YP-23 は分解され、その主翼は海軍向け艦上戦闘機 XF11C の試作に流用されました。
(文・ささき)


緒元(XP-23)
製作1932年
生産数1機
乗員1
全幅31ft 6in(9.60m)
全長23ft 10in(7.26m)
全高9ft 6in(2.90m)
主翼面積252ft2(23.4m2)
乾燥重量3274LBs(1485Kg)
全備重量4124LBs(1871Kg)
武装なし(7.62mm 機銃×1+12.7mm機銃×1を予定)
発動機カーチス V-1570C 液冷12気筒 700hp
最高速度223mph(359Km/h) 高度 15000ft(4572m)
実用上昇限度26500ft(8077m)
航続距離435ml(700Km)

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