零戦物語

最終回 PART-8
日本における いや世界における攻撃用戦闘機の代表選手が「零戦」でしょう。
パールハーバーの奇襲では、零戦の制空隊が完全に戦場を制圧、同時に雷撃隊、爆撃隊
が突入し米太平洋艦隊の主力を撃滅し、さらに零戦隊は銃撃で敵の航空戦力を
地上で破壊しました。
しかし大戦初期においては無敵だった彼らも、連合軍側に新鋭機が登場すると
これら万能選手的な戦闘機「零戦」は、苦難の時代になっていきました。

兵器というものは、常に敵よりも優秀なもので必要な量を満たし、さらにその
補給ができなければなりません。
特に飛行機というものは、工業力の総合的製品であるから、機体、発動機、火器
等のトータルバランスがとれていなければ、戦闘機としては劣悪なものとなります。
開戦時は世界最強を誇った零戦でしたが、いかに改良をかさねてみたところで
高度10000m以上を飛ぶ「超空の要塞」B29に対する迎撃機として、使えなかったこと
はその設計思想を見ても、当然でしょう。
つまり零戦の衰退(というか限界)が、そのB29による日本本土爆撃を許し、優秀な
飛行機を大量に生産するという戦い=技術と生産力の戦いに敗れた事になります。

零戦はそういう意味で「日本の運命を背負った戦闘機であった」 という言葉で、
このシリーズの最終回を結びます。御静聴ありがとうございました。


比較 弱点 零戦の種類 補足 20mm機銃 好敵手1 好敵手2 最終回


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